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私の失恋話。#Day3

今回は失恋について話します。

私は特に、恋愛経験が豊富なわけではないので、
ドラマチックな失恋は思い当たりませんでした。

なので、今までに経験した失恋を3つお話ししようと思います。
振り返ってみると、恋愛はそれぞれが自分の目の前をしゅんっと通り過ぎていく乗り物のようです。過ぎ去った年月の影響もあると思いますが、変化しているようでもあります。

1つ目は、高校2年生。

それは特急電車が目の前を通り過ぎるようでした。

その人はよくお腹を壊す人で、よく揶揄われていました。

少し朝早い教室で、まだ登校した生徒もまばらな時間、
1人が笑いながら、教室に入ってきた彼に向かって、
「またトイレ、うんこ?」と、
からかっていました。
それに対して、
「そうそう、またお腹壊しちゃった」
たったそれだけのやり取りでしたが、
その、軽く受け流すもの応じない態度と寛容さ。
それまでに知っていた男子は、人前でそんなことを言われたら、
怒るか、言い返すか、無視するかの反応をしていたのに、
戦わずにちょっとかわす。
大袈裟かもしれませんが、当時の私はそのように受け取って
そんな彼に、精神年齢の高さを感じました。

それから卒業するまで、すっと好きな人で、公言もしていましたが、
手応えもなかったので改めて伝えることもなく、
何事もなく終わりました。

2つ目は、大学1年生。

それは在来線の快速が目の前を通り過ぎるようでした。
大学で出会う人たちは今までとはそれまでとは打って変わって、
バックグラウンドが違う人たちばかり。
特に、強烈だった1人は、
高校生の時からバックパックでカンボジアに行ったり、
インドに行っていた青年に出会いました。

その人も、精神年齢がた高くて、憧れの人になりました。
大学時代に私は、その人に多分に影響を受け、海外志向が強くなり、
ヨーロッパよりもアジアに興味を持ちました。
また、映画好きで、監督や俳優に詳しく、
そういった視点で映画を見るようになりました。

しかし、その時の私は大学の課題に集中したく、
早めに白黒つけなくてはと思っていました。
おそらく、入学して2ヶ月後には思いを伝えていたと思います。
まあ、振られてしまったんですが、その後もいい友達でした。

失恋したという感覚は、
人生で一番強かったと思います。
でも、死ぬ前に一度誰かに告白することを体験しておきたかったので、
とてもいい思い出です。

スピード感で言ったら新幹線なみの速さで終わった恋ですが、
大学在学中、仲良く過ごせたことを思うと在来線くらいのスピード感でした。

3つ目は、大学卒業後。

それは体感としては、自転車が通り過ぎていくようでした。
その人も同じ大学の人です。

大学4年間はお互い普通の友人でしたが、
その人と私ともう1人で卒業旅行に行きました。

なぜ、特別仲が良かったわけでもないのに、
卒業旅行に行ったのかというと、
行き先が特殊だったからです。

旅先はインド。
日本でも著名な建築家「ル・コルビジェ」の建築を見に行きました。

インドに行きたがる人が周りにあまりいなかったので、
ちょうどその時、気の合う3人で旅に行くことになりました。
どちらかというと、恋仲にならなかった
もう1人の人の方が仲が良かったのですが、
大学院の予定で少し早めの帰国。

残された2人でインドを脱出して、
マレーシアに行きました。

在学中の印象は、
頭が良くて少し変わっていて話づらい、
神経質な印象でしたが、
旅先での彼は伸び伸びしてギャップがありました。

その時は何事もなく帰国したものの、
帰国後に何度か会ううちに、付き合うようになりました。

別れの理由は、私が振られてしまったのですが、
原因は私にあったように思います。

私は卒業後は設計事務所に就職して中国にいました。
過労と現地でちょっとトラブルに巻き込まれてしまって、
帰国しました。

彼は大学院生だったので、
日本と中国の遠距離恋愛はなんともなかったものの、
わたしは仕事の方でだいぶ切羽詰まっていました。

設計業務はちょっと過酷すぎて、
続けることが厳しく感じ、以前から興味のあった花屋に転職をしました。

花の仕事に夢中になって、
時間やお金、持てるリソースをそこに注ぎ込みたくて、
彼に会う時間がもったいなく感じるようになり、
誘いを断るようになりました。

なんとなく別れを予感をしながらも、
目の前のことに夢中でした。

振り返ってみれば一年に満たない間のことですが、
体感ではすごく長く感じていて、
学生時代の恋愛に比べると自転車ぐらいのスピードです。
経った月日が短いから、まだ色々と覚えているからかもしれませんが。

それでも段々と、人間の速度に近づいてきいます。
そのうち徒歩でも間に合うスピードで付き合っていけたらいいなと思っています。

後期

失恋の話なんで、できればしたくない話。
けど、誰かの失恋話を聞くのは面白い。

書き手としてのサービス精神を養うために、
少し話づらい話もして、
心の障壁を壊して魅了という試みです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

いただいたサポートは、花と民芸の表現の追求にあてさせていただきます。