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田舎生活日記 気性と環境をマッチさせると思考が進まないかもしれない。

こんにちは。
山の麓で田舎の生活を楽しんでいるゆぎょうです。

シェアハウスで10人の人と共同生活をしていて、仕事は自分の作った会社でデザインの仕事をしています。在宅というか働く場所が自由なので、あまり外から出ません。

「今日はいつまででも寝れる…」
せっかく気持ちの良い朝なので、いつもは6時に起きているものの、今日は朝寝坊の9時おきだった。

9時に起きると、あっという間にお昼になってしまう。
私の住んでいる地区では、
7時、12時13時15時17時にチャイムが鳴る。
結構大きめの音だけど、朝は目覚めないこともある。
なんでお昼にこんなに鳴らすのか、不思議だが、おそらく畑仕事をする人のためなのだろう。

今はスマホも腕時計もあるから、屋外でも時間を確認できるけど、昔はそうもいかなかったのかもしれない。

真夏の炎天下の元の畑しごとでは、スマホをポッケに入れておくのも心配になる。その時は確かに放送があると時間がわかるなと感じた。でも、そこまで切羽詰まっていない畑作業なので、時間を気にする必要もない。周りの家も専業の農家があるわけでもなく、広い自宅用の畑があるぐらいなので、もうチャイムの必要性はないと思う。だけど、なんとなく残っている。

今日の仕事内容は主に「刺繍」だった。
ユニクロのポロシャツに、自分の会社のロゴを刺繍した。ユニクロでも機械を使った刺繍サービスがあるけど、だいぶ値が張る。ポロシャツそれ自体より高い。ほんのちょっとの刺繍なので自分で作ることにした。

昔から手芸が好きだった。一番ハマっていたのは小学4年生ぐらいの時で、学校から帰ったら友達の家で手芸をしていた。一度家庭科の授業で作ったキャラクターのクッションが、東京都の合同展覧会に出展されたこともある。

それは創作を評価されたというより、そのキャラクターのコピーの完成度が高かったことを評価されたのだと思う。ちょうど、スポンジボブの顔一面がプリントされた下敷きを持っていて、それを完コピして下書きを作り、制作したことがクオリティの高さにつながった。

その時に、型紙がその作品の出来の半分以上を占めていると思った。手を動かしている間は、その作業を正確にやることに集中するので、下書きの段階で詰めておいた方が良い。心の余裕が欲しい時は、今でも刺繍をすると落ち着く。仕事が落ち着いたら、再開したいと思っている。田舎ではたくさんの植物に囲まれているので、それを丁寧に観察して下書きを作り刺繍をしたい。

今朝も、久しぶりに刺繍ができると思うと、なんだかワクワクした。作業しながら好きな映画を見てゆっくり過ごす。私にとっては最高の贅沢だ。

その時見た映画に大きなインスピレーションを受けた。
『リトル・フォレスト』
という日本の漫画が原作の田舎生活をする少女の映画。

Amazonで誤変換のまま検索したら、たまたま引っかかったことが、この映画を知ったきっかけだった。木の実を取ったり田んぼ、畑で自分の食べ物を育てて、鴨を絞めたりもする。食べるもののほとんどが手作りで、主人公が住んでいた小屋も素敵だった。料理を軸に物語が展開していく。とても気に入ってしまいぜひ原作も読みたかったのだけど、Amazonではもう新作を売っていなくて、中古でもそれなりの価格だったので、人気の作品みたいだ。決して簡単な暮らしではないのだけど。すごく贅沢な暮らしだった。自分も田舎で生活していると、お金があっても手に入らないものの存在を実感するようになった。また、シェアハウスに住んでいることで、誰かと過ごすちょっとした時間があるだけで、精神的に健康になれることも知った。

美味しいものは高級品とは限らないし、お金があっても時間がなければぼーっと日差しを浴びることもできない。なんのために働くか、というよりもどう生きたいか、改めて考える気かけになった。

けど、最近は深く考えることが難しくも感じている。この生活に慣れたのか、振り返ってみたときに何を書いたら良いのかが、わからなくなる。自分がその時考えたことが何もないよいに思えるのだ。

環境が変化したときはいつも、自分の輪郭を認識することが容易に感じていた。考えていたことをスラスラ言葉にすることができた。今はそれが難しい。あまりにも、この生活が自分にとって自然だからかもしれない。

私は東京出身で、生まれてからのほとんどを東京で過ごしてきた。なぜか田舎暮らしに憧れを持っていた。暮らしたことは一度もないのに。祖母の家も東京なので、田舎暮らしが本当に縁遠かった。なのに、吸い寄せられるように生活をだんだんと田舎に移してきた。

「田舎暮らしは本当にいいよ!」とも思わない。
どの環境がいいかは、その人にしかわからない。母が私とは真逆の考えで、田舎での生活は耐えられないそうだ。人がいない状況におそれを感じるそうだ。また人工の刺激が少ないのも、つまらないらしい。
一方私は、自然思考で、人工物より自然が好き。この生活が心地よい。『リトル・フォレスト』のような生活を目指して、田舎で生きていくための生活の知恵をつけていこうと思う。


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