「いただきます」「ご馳走さま」の和歌 〜本居宣長/玉鉾百首〜
江戸時代の国学者で医師でもあった本居宣長が
「玉鉾百首」の中で、日々の食事への感謝や
自然への感謝を込めた和歌を詠んでいます。
「たなつもの 百(もも)の木草も 天照(あまてら)す 日の大神(おおかみ)の恵み得てこそ」
「朝宵(あさよい)に 物喰ふごとに 豊受(とようけ)の 神の恵みを 思へ世の人」
この和歌を食前と食後に唱える習慣が、のちに日本に広がっていき、明治くらいまでこの習慣はあったそうです。
しかし現在では、一部の神道関係者の間でしか
唱えられていないとのことです。
最初の和歌(食前に唱える)は、
【田で育つもの、実をつけ食物となる様々な草木も、すべては天照大神(=太陽、お日様、おおいなる自然の働き)の恵みあってのものなのです】
二つ目の和歌(食後に唱える)は、
【朝晩の食事のたびに、この食事が(人間だけではなく)神さまや自然界からの恵みであることに思いを馳せ、感謝しましょう】
というような意味になります。
日本にも古くからこのような習慣があったことは、本当に素晴らしいと思います。
私達の食べ物を育んでくれる自然への感謝、また食に関わって下さっているたくさんの方々にも、日頃からの感謝を忘れないようにしたいですね。
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