ホームでの待ち合わせも

20180217

美容院へ行く。すぐにのびて視界が悪くなるのがいやだから、前髪を短めにしてくださいといつも伝えるのだけど、今回はちょっくら短すぎた。前髪が短いと、顔面のインパクトが強まる気がする。まあ、すぐにのびる。

病院やスーパーに行くのには車がないとちょっと、という地域に住んでいる。だから車をもっているわけなのだが、それはわたしが高三のとき、大学への通学に必須のため親が買ってくれた軽自動車で、それ一台きりなので、平日に夫が使えば足がなくなる。だから食料品は週末に一週間分まとめて買っている。買い物かごからあふれそうな卵やりんごを落ちないようにおさえながらレジに並ぶ。
そして買ってきてからが仕事だ。一週間、野菜や魚や肉がわるくならないように、手をかけなければならない。蕪は葉をおとしてキッチンペーパーでくるんで、葉は新聞紙でくるむ。ほうれん草はすぐ使わなかったぶんを茹でておいておく。カットされた南瓜はすぐわるくなるからその日に塩ゆでにする。油揚げをまとめて油抜きして、半分は冷凍。魚と肉は切って下味をつけて冷凍したり冷蔵庫においておく。切り身ではない魚はさばく。果物を袋から出してかごに入れたり煮たりしておく。ごぼうも案外すぐしなしなになるから、早くに使わない分は薄切りにして乾かしておく。さつまいもも、袋に入れっぱなしだと蒸れて腐るから出して風通しのいいかごへ。
ひとつひとつの作業はなんてことないけれど、それを今日やるのが、なかなかしんどい。
好きな音楽を流そうかと思い立つが、再生機器をキッチンにもってくるのもしんどい。だから歌を小さく歌ういながら、やる。残業続きでくたびれた夫とヨウは二十時半に寝床へ行ったから、ガチャガチャ音を立てぬよう気をつける。ホームでの待ち合わせもーそーんなーに悪くはないー。
そういえば夫と付き合う決定的なきっかけのひとつはJRのホームでの再会だったなあということを、この詞を口ずさむと、うすく広く額のあたりで思い出す。

土曜日のお昼ご飯は各自に用意することが多い。平日のうっぷんを晴らすというか、それぞれ、これが食べたいっ! というものを好きに買ったりこしらえたりして、休みの食事を満喫するのだ。今週は、夫はちょっといいお肉で牛しゃぶを、わたしは『おかずのクッキング』で見た土井先生の湯豆腐がずっと食べたかったから、そのレシピ通りに湯豆腐と〆の雑炊もした。あまりにも美味しかったので、写真をとって妹にLINEで報告した。

そうして土日の間に主に娘のための作り置きをする。
まず朝ごはんのためのパンをホームベーカリーで焼き、おやつのためのパンケーキやマフィンやいももちなどを作り、ミートソースや焼うどんなどもたくさん作って、いずれも小分けにして冷凍しておく。自家製冷凍食品とでも言おうか。料理は作りたてがいちばんだと思っているし(わたしはカレーもできたてがいちばんだと感じる)なるべくそうしているけれど、とっても疲れはてているかもしれない未来の自分のために助け舟をあらかじめ仕込んでおくのだ。
どれもちいさいひと仕様だから、砂糖や油は入れないか、入れてもごくごくわずかにしている。野菜はたんといれておく。今日はおやつ用に小松菜とおからのパンケーキを十七枚焼けた。おいしかったので味見しながら二枚食べてしまった。仕上がりの緑が、春を待つのにふさわしいようなきれいな色のパンケーキ。

話が冒頭に戻って美容院でのできごと。
小五から行っている美容院で、ここ数年の受付のお姉さんがとても優しく美しく、予約の電話をかけて彼女が出てくれるといつもうれしくなる。今日は帰り際、そのお姉さんに「とっても髪がお美しいですね、何かされているのですか?」と言ってもらい、髪のことより、個人的に話しかけてもらえたということがうれしくどきどきとした。
でもだからこそ、まじめに答えようと考えて思い当たったことは、娘との入浴でゆっくりシャンプーする暇がなく、シャンプーを週に一、二回しかしていないということだった。あとの日はお湯で流しているだけなのだ。単なるめんどくさがりが幸いしてか、ここ最近、髪のコンディションはたしかにいいのだった。

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