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【ご報告】別居することになりました

「ただいま」
職場から帰宅し、玄関先で口にする。

いつもなら「おかえり!」と妻や子供たちが元気に出迎えてくれるが、今日は返答がない。数日前から妻と子供たちは実家に帰っているため、当たり前のことなのだが。

電気もエアコンも点いていない静寂に包まれたリビングにはいまだ慣れない。うるさいくらいに賑やかだったリビングからは何の音もしない。仕事終わりに訪れる静かな1人の時間。

家事に育児、仕事と多忙な毎日の中で、わずかばかりでも1人の時間がほしいとは願ったが、まさか別居という形で1人の時間が訪れるとは。やるべきこと、やりたいことを消化するにはもってこいのはずだが、急な生活リズムの変化に心身が追いつかず、思うように動けない。

1人でいることには耐性があるはずだった。むしろ1人でいることに喜びを覚えるような人間のはずだった。いつからだろう、1人でいることに寂しさを覚えるようになったのは。「家族に会いたい」と寂しさから泣きそうになるようになったのは。

1人でいると生活に張り合いがない。誰のお世話をする必要がなく、誰にも何も言われない。お風呂や食事さえも面倒くさくなる。100円の惣菜パンやパスタで凌ぐ日々。シンクに洗い物が溜まることを誰よりも嫌っていたはずなのにそれすらも面倒くさくなり、翌日の自分にバトンタッチする。

家族がいたから人間らしい生活ができていたのだろう。脳内の理想的な行動と現実の行動との乖離がひどく、勝手に打ちのめされて怠惰な人間に成り下がっている。

誰にも邪魔されずゆっくり眠れるはずの夜も寝つきが悪く、「こんなはずじゃなかったのに」と後悔しながら1日を終える。

再び家族と一緒に暮らせるのはいつになるだろうか。もしかしたら一生このままなのではないかという不安に襲われることもある。これ以上真人間から遠ざからないために、非生産的な日々を書き残すのが僕にできるせめてもの抵抗だ。


【編集後記】
タイトル通り、家族と別居することになりました。

仲が悪くて別居だとか、愛想を尽かされて妻が子供たちを連れて実家に帰ったとかではありません。

夫婦仲はいたって良好ですが、色々な都合から僕は元々住んでいた家に、妻と子供たちは実家に、という感じでしばらく別居することになりました。

妻と子供たちが戻ってくるのか、僕が実家に合流するのか、いつまで別居なのか。何もかもが未確定なまま別居生活が始まりました。プチ単身赴任といったところでしょうか。

寂しいし、自分は怠惰な人間まっしぐらだし。当たり前だと思っていた家族の存在って大事だったんだなというテンプレのような学びを得ました。

この環境をプラスに捉えてやるべきこと、やりたいことを上手く消化していきたいという意識はあると言い訳しておきます。

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