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"Merrillville" が言えますか? やっぱり r と l は難関

日本の新聞のアメリカ特派員が、シカゴの近くのある町に取材に行こうとして、発音で困ったという。

町の名は Merrillville 。名前を言って道をたずねたが、通じない。

「苦手な r と l がてんこ盛りだからである。大嫌いな v も入っている」

これは一例で、地名の発音で「何度泣かされたことか」と、この特派員は書いている。(『朝日新聞』2011年4月7日「特派員メモ」)

私もアメリカにいたころ、 squirrel(リス)の発音を現地の人に直してもらったことがあるが、これがむずかしい。教えてくれた彼は、「ちょっと違うけど、まあそんなところだよ」とあきらめ顔だった。

vanilla(バニラ), thermos(魔法瓶)も発音が難しく、店員の前で緊張した。

いちばんひどかったはcamera(カメラ)が通じなかったこと。そこは電気製品売り場で、店員の目の前にカメラがあった。

名古屋のある大学のアメリカ史の教員と話したとき、彼はアメリカ留学時代にequilibrium(力の均衡)という国際政治の必須単語の発音に自信がもてず、ゼミでの発言に躊躇したことがあると言っていた。

「通じないかもしれない」という不安は、外国語を話すときの態度に根本的な影響を与える。

<通じればいい>という人がいるが、それは外国語の経験の浅い人が言うことのような気がする。

しっかりした発音の基礎がなければ、<通じればいい>どころか、そもそも<通じない>ことがある。


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