天眼流’ @安倍首相のやることは“絵に描いた餅”ばかり
◆ 主旨は素晴らしいのですが、企業側の事情への配慮が足りないからそうなる。
~~< 以下 引用 >~~ ■ 「同一賃金」、1年延期で調整=中小は「残業規制」も対象-厚労省 ⇒ http://bit.ly/2E59yn2 ■ 厚生労働省が、今通常国会に提出する「働き方改革」関連法案のうち、非正規社員の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」について、実施時期を1年延期する方向で調整していることが24日、分かった。 働き方改革関連法案の柱の一つである同一労働同一賃金は、パートや有期契約、派遣社員の基本給や賞与などの待遇について、正社員との間で不合理な格差を設けることを禁止。待遇に差がある場合は企業に説明を義務付けている。
◆ 多くの中小零細企業にはそのゆとりがないのが実態です。
この政策の主旨は良い。でも、これは、地方の中小企業などの労働実態を知らない人たちが考えた机上の政策です。安倍首相らしいと言えば、安倍首相らしい。
私は、この政策が考えられていた当初からそのことを指摘していました。(→ 注1)
私が昨日まで勤務していた工場の作業現場には、いわゆる“正社員”はいない。常に70~80人の作業者がいる現場に作業進行管理の正社員が2~3人いますが、彼らは実際の作業はしない。
私はこの3~4年で5~6社で派遣社員として働いてきましたが、どこも似たような実態。ちなみに、私が働いたのは、特別な熟練が不要な物流センターや食品工場ばかり。
そこでは、実際に作業するのはパートと派遣だけ。こんなところで、どうやって同一労働同一賃金を実現するつもりでしょうか。“絵に描いた餅”なのです。[#絵に描いた餅]
◆ なぜ、そんなことになっているのかは、単純なこと。
実は、非正規社員を正社員にして働いてもらえるゆとりがあるのは、一部の大企業だけなのです。
わが国の大多数を占める中小零細企業は、低賃金で劣悪な雇用条件でも働いてくれる非正規社員に依存して、かろうじて生きながらえている企業が多いのが実態。[#低賃金]
彼らは満足な賃金を払うゆとりがない。その証拠に、最近は“人手不足倒産”が増えています。非正規たちも、自分がコケにされていると気付いてきました。[#人手不足倒産]
参考までに。[→ http://bit.ly/2DEfHtl … 人手不足倒産が大幅増/飲食店の倒産707件、食料品小売314件 帝国データバンクが1月16日発表した全国企業倒産集計2017年報によると、2017年の倒産件数は8376件(前年比2.6%増)]
私が最近しばしば指摘しているように、わが国はスイス式の考え方の政策も併用しないとダメ。スイス式の考え方のポイントは、“高通貨、高賃金、高物価”です。(→ 注2)
◆ そもそも、“政策”というものは学者や官僚などに机上で考えさせるだけではダメ。
上っ面だけを机上で見ながら考えても、うまくいきません。現場の実態を詳細に調査して完璧なまでに把握したうえで考えないと、ダメなのです。
安倍首相のやることなすことは、一事が万事、机上だけで考えている感じ。頭でっかちで“机上の空論”好きな安倍首相には日本の行く末はまかせられません。[#机上の空論]
多少語弊もありますが、机上の空論で世間をごまかして渡世するのは“詐欺師”だけ。私から見れば、安倍首相は机上の空論で世間を煙に巻く詐欺師にも似ています。
残念なことですが、彼は、何もわかっていません。わからないなら、学者や官僚ではなく、私のような現場に精通したコンサルに聞きにくればいいのに … と思います。
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●(注1) “同一労働同一賃金”の弱点については、2016.10.28のブログ 『これでは社会が廃れてしまう → http://bit.ly/2E7eUOJ 』、2016.10.1のブログ 『社会全体で賃金を平準化 → http://bit.ly/2eVeGxr 』などをご覧ください。
●(注2) スイス式の考え方などについては、2018.1.18のブログ 『わが国は“働き手”が著しく不足してきた』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2rCmLBg ]
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