山本まとも

短歌/短歌人会

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一首評:少し見ていいですかって聞かれてる春の時間は使うしかない(廣野翔一)

 たくさんの人が良いと言っている歌だけど、良さを自分に染み込ませたくなって書いてみていたら、案の定もっと好きになってきました。  一首で読んでも、誰かとどこかに…

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「私が選んだベスト3」 (2023.10)

note転載時追記:「私が選んだベスト3」は、『短歌人』誌上のコーナーで、その月の担当者が前々月号の短歌人誌から3首を選びます。 こちらの記事は2023年10月号掲載にされ…

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一首評:少し見ていいですかって聞かれてる春の時間は使うしかない(廣野翔一)

 たくさんの人が良いと言っている歌だけど、良さを自分に染み込ませたくなって書いてみていたら、案の定もっと好きになってきました。

 一首で読んでも、誰かとどこかに出かけていて、その相手が何か気になるものを見つけたらしいというシチュエーションはわかる。聞き方が「見ていきませんか」とかではないので、誰もが興味を持つものというよりは、相手の人が好きなもの、関心があるものっぽい。二人はまだすごく親しいわけ

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「私が選んだベスト3」 (2023.10)

note転載時追記:「私が選んだベスト3」は、『短歌人』誌上のコーナーで、その月の担当者が前々月号の短歌人誌から3首を選びます。
こちらの記事は2023年10月号掲載にされ、引用歌はいずれも2023年8月号掲載作品です。

 一首目。一読してわかる通り、田植え前の水張田の風景を描いている歌。
 「まんまんと」という見ている側の気分も現れているようなたっぷりとした擬態語から始まって、まずは広い田んぼ

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