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小規模農業者の営業のヒント

うちの農園は法人化をしているものの小規模で、かつJAに出荷していないため作った作物を「自分で売らなければならない」。「売らなければならない」のは、「作るだけ」という農業に加えて、同程度の労力を要する「売る」作業が加わるが、うまくやれば「作るだけ」の農業より儲かるということもあるが、ちょっと誤ると「作るだけ」の農業より儲からなくなってしまう。したがって、通常は「作るだけ」に専念して、軌道に乗ってから売る作業に入っていく。私の場合はこの点を当初見誤ってしまい、非常につらかった。この話は色々な事情があり、別の記事にする。
本題に戻ると、この売る作業がいまだに得意にならない。心理的に苦手意識もあるが、基本的には生産と販売のサイクルがかみ合わないことが多くあった。この点は最近修正できてきたが、もう少しのところである。
一方苦手意識は常に持ち続けている。ところが先日初めて行った病院の先生の机に置かれていた言葉(おそらく私を診察していた先生の御尊父の言葉)が、私の心に残る言葉であった。それは「病人を治すのではなく、病気を治す」という言葉だった。この言葉はある意味では患者に寄りそうというような情緒的な診断を回避し、ただ「病気だけに着目せよ」という訓戒の様にも受け取れる。しかし実際は逆だと感じられた。私の診断をした先生は、今まで受けた診察よりもずっと丁寧で具体的で金銭的にも「これだけの費用が見込まれる」という、まるで美容整形のような診断で合った。実際にはただの皮膚炎だったのだが、かなり丁寧に診断してくれた。
この出来事を自分の野菜の販売営業に取り入れれば、私の場合野菜を売ることでその店あるいはその担当者の問題を解決しようとしてしまって、相手の態度や立場や人間性で苦手意識を持ってしまっていた。私はただ、いい野菜を適正価格で提供すればよいだけで、他のこと(相手の「売ってやっている」というような態度)は気にする必要がないのではないかという発想が生まれた。

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