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ペットショップとブリーダー

突然ですが皆さん。ペットが欲しいな、と思ったらどこへ行きますか?
ペットショップ。
ホームセンター。
ペットの展示・販売イベント。
どれも正解です。

しかし私はあえてこうご提案します。
「ブリーダーから直接、もしくはブリーダー兼ショップから買うのはどうでしょうか」と。

現在私はペットショップで働きながら、ブリーダー、そして自分が育てた子の直販(こちらはまだ準備中ですが)を行っています。
そうして実感したのが、
「ブリーダーから買う方がメリットが多い」ということです。

まずペットショップのことについてお話しましょう。
ペットショップで購入するメリットとしましては、
・いろいろな種類がいる
・飼育器具や餌も一緒に揃えられる
・(ほぼ)毎日営業しているので好きなときに行ける
この3点だと思います。

そして今回のお話の主題、デメリットは、
・個体についての情報が十分に得られない可能性がある
ということです。
ショップはあくまで「お客様の手に渡るまでの間、お世話をするところ」です。問屋さんやブリーダーから仕入れた後、毎日お世話をして、飼い主さんが現れるのを待ちます。
けれどどんな動物でも(なんなら人間でも)そうですが、彼らには「個性」があります。

どんな餌が好きなのか。食欲は旺盛か、それとも少食気味か?
元気な子なのか、おとなしく静かな子なのか。人懐っこい子なのか、少し神経質なのか。
トイレの頻度や癖、どんなことが好きで、どんなことが嫌いか。
長くお世話をすればするほど、その子の性格、個性がわかってきます。けれど、入荷してすぐに売れてしまうと、その子の性格や個性はどうしても把握できません。
そこでお客様に伝えられる情報は、「一般的に」この種類はどうなのか、という話になってしまいます(もちろん性別や月齢、犬猫ならワクチン接種の有無などわかる情報はすべてお知らせします)。
さらに爬虫類となると、野生採集個体(WC)というものも存在します。
読んで字のごとく、現地に生息している野生の個体を捕まえて、輸入して、売るという方法です。
このWCがやっかいで、今何歳くらいなのか?ということがほとんどわからないのです。大人なのか、子供なのかはわかりますが、2歳なのか3歳なのかそれとも10歳くらいで寿命間近なのか。極端な話ですが、よほど弱っていない限り、なかなか見分けはつきません。さらには野生から突然人に飼育される環境に来たわけですから、本来の性格はやさしくても、入荷直後はバタつくことが多いです。

そうなると、その子の「個性」、そしてできる限りの「情報」を飼い主さんに提示することができません。
私はこれがとても歯がゆいのです。ショップという性質上ある程度は仕方がないですし、ベテランの飼育者さんでしたらどんな性格の子でも対応できる方が多いので、お客さんに甘えさせてもらっていることもあります。
しかし、「はじめて飼う、初心者のお客さん」はそうも言えません。
やはりはじめての飼育では不安も多いでしょう。どんなに事前に調べていても、飼えばわからないことや問題も出てくるでしょう。そんなときに、できる限り多くの情報を提示したい、と私は思うのです。


ではブリーダーについてのお話です。
先にデメリットをあげましょう。
・購入できる種類が限られることが多い
・器具や餌はあまり売っていない
・営業日が限られる
ペットショップの逆ですね。

そしてもちろん、メリットはもちろんこれです。

「育てた人から直接話を聞くことができるので、より多くの情報が得られる」

ブリーダーは、その子が生まれたときからどう育ってきたか?餌は何が好きなのか?性格は?癖は? 多くの情報を持っています。当然、正確な生年月日も分かります。親がどんな子だったかということも分かります。兄弟がいれば、兄弟がどんな子なのかも聞くことができます。ペットショップのデメリットを完全にカバーすることができるのです。

私は、ペットたちにはできる限り幸せな生活を送ってほしいと思っています。野生に生きるのが幸せか、飼われるのが幸せか。なんて大きな問題を論じる気はありませんが、人の手に渡ったからには。できる限り、幸せに生きてほしいと思うのです。その足掛かりとなるのが「多くの情報」だと思うのです。

だから私は「ブリーダー兼ショップ」(あと学習塾とカフェも)を目指しています。ブリーダー兼ショップなら、器具や餌を揃えることはできる。努力次第で営業日を増やすこともできる。けれど、種類の豊富さだけはきっと、ショップに勝つことはできません。

それでも、動物に幸せな生活を送ってほしいから。
そして、私自身がお客様、飼い主さんとつながりたいから。
「この前買っていったあの子、元気ですか?」お茶を飲みながら、こんな会話ができる、居心地のいいお店を作りたいのです。

最後になりますが、私は決して「ペットショップ」を批判しているわけではありません。ペットショップにはペットショップの利点があり、ブリーダーにはブリーダーの利点があります。もちろんブリーダーだからいいというわけでもありません。悪質なブリーダーがいることは一時期、話題にもなっていたかと思います。
お客様にはメリットデメリットを知っていただき、上手に両方を活用していただきたいと思い、この記事を書かせていただきました。
そしてなにより、

「飼ったからには、できるだけ動物を大切に、幸せにしてあげましょう!」

ということです。以上、ここまで読んでいただきありがとうございました!



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