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<「語りえぬ”もの”を語る」(3)>                     -経営とは「いのちの活き」の全機現-

6.個と全体の二重性   個を全部足すと全部になりますが、全体にはなりません。とかく言葉の概念の違いを混同してしまいます。部品を全部集めれば機械は動きます。個は部品ではないから個を全部集めても全体にはなりません。戦前の日本の政治体制、ナチスのそれは、正しくは国民を部品として扱った全部主義といったほうが誤解が生じないと常々思っているのです。  個と個は二元論では切り分けられない“こと”、個と個のあいだに言葉にできないゆらぎがあるからです。「場の思想」を提唱する哲学者清水博さんは

    • <「語りえぬ”もの”を語る」(2)-「資本」の意味する”こと”->

      当ブログで何度か図2生物的存在と社会的存在の絶対矛盾的自己同一を紹介してきました。経済学者岩井克人さんは著書「資本主義から市民主義へ」の中で人間は遺伝子によって継承される「生きもの的存在」と言語由来の「社会的存在」の二重性を生きる存在だ」と著しています。この二重性は二元論で切り分けることのできない絶対矛盾的自己同一の有り様をしています。詳細は下記ブログに譲り先へ進むことにします。 <生物的存在と社会的存在の二重性> そこはかといない不安はどこから、?: ともだちの友達はともだ

      • <「語りえぬものを語る」(1)-”こと”→”もの”へ->

        <「語りえぬものを語る」(1)-”こと”→”もの”へ-> 書 名「語りえぬものを語る」ー哲学への誘い- 著 者 野矢茂樹 出版社 講談社学術文庫 初 版 2020年11月10日 1.知識と、知力と、生きること、と  帯には「哲学への誘い」とあります。「哲学」という言葉に出会うといつも塩野七生さんの小説「ギリシャ人の物語Ⅲ」の一節を思い出します。アリストテレスの言葉「論理的に正しくても人間世界でも正しいとは限らない」を引用して、知識と知力の違いを示し、「哲学とはもともと知識を

      <「語りえぬ”もの”を語る」(3)>                     -経営とは「いのちの活き」の全機現-

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