Nemesis: Myriad stats talk (3) LLPの攻略アプローチ

気がつくと次のアノマリーであるNemesis: Umbraの開催の前日とかになっており、ようやく(3)の公開をし忘れていたことを思い出したので遅ればせながら公開します。
内容としてはGameDeep vol.36の記事の終盤部分ほぼそのままとなりますので、そちらで既にご覧になったという方には予めお断りしておきます。

◯LLPの目安

プサンM1〜2のENLのLLPスコア(68.8km→87.49km)はシリーズ全都市中最大です。これはゾーン全体を貫く作戦がないと成立しない数字です。それだけロングリンクに集中するとシャードの方がおろそかになるのでは…と思うかもしれませんが、プサンENLはシャードでもM1で高目のスコアを記録しており、M1の8ゴールはM4の10ゴールに次ぐ数字でした。
計算上は約2.43kmのリンク8本でこの数字に達しますが、このうちスタートポータルから出る最初の1〜2本には長さを期待できません。だいたいリンク6本でこの距離を叩き出すと考えると、平均距離は2.65kmほどが必要です。プサンのアノマリーゾーンが東西には1.7km南北に4.3kmほどの細長い形だったことを考えると「エリアを大きく南北に使い6〜7本のリンクを張り、そこにスタートポータルをつないだ」結果がこの数字ということになります。

とは言え各都市ではアノマリーゾーンのサイズが違いますから、単純に原スコアを比較しても優劣を決められるわけではありません。そこで各都市での傾向を数値的に見てみるために、「LLP対エリア比」という考え方でLLPの原スコアの傾向を眺めてみました。

エリアサイズを代表する値としては、アノマリーゾーンから取れる最大の直線距離を採用しました(表の「エリアサイズ」列)。

次に、各都市各陣営の最大LLP原スコアから「平均リンク推定長」を算出します。と言ってもとても単純な計算で、どの都市も最大スコア時はリンク8本をつないだものと考えて、本数による計数の影響を消すために単純に36(=1〜8の計数の合計値)で割っただけです。実際は1〜2本目は短く後の方は長く、となっていそうに思いますが、傾向を見るだけならこのぐらいのざっくりした計算で良いと思います。

で、平均リンク推定長 ÷ エリアサイズ という大変安直な計算をした結果を%表記したものが今回見るべき数字となります。

◯全体作戦クラス

プサンENL(56.06%)、ヘルシンキRES(50.00%)、ブラジリアRES(45.37%)、あたりが数字として大きい組に入るかと思います。だいたいエリアサイズに対して50%ぐらいの数字となるのが目安で、これらは事前計画に基づいた作戦プランに基づいて叩き出されたスコアである可能性が高いです。

エリアサイズはアノマリーゾーンで取れる最大の距離です。これに対して50%の平均長を出すには、エリアの長辺の50〜70%ほどを使ったリンクを6〜7本繋げた上で、スタートポータルへ接続する必要があります。ライン設定、事前の鍵堀り、邪魔なリンクのクリアリングなど、が必要です。

共通するのはいずれも序盤にこの高いスコアを出している点です。これはおそらく必然で、事前に計画した作戦リンクを実行しやすいのが開幕直後だからです。以降の計測では特にシャード戦のためのリンクLLP遂行の邪魔になるので、理想的にリンク経路を構築するのが困難になっていきます。

これら3パターンのうちで少し毛色が違うのはブラジリアRESでしょうか。他の2都市(プサン、ヘルシンキ)が圧殺と言ってもいいレベルでLLPを勝利しているのに対して、ブラジリアでは敵陣営(ENL)もLLPでそれなりのスコアを出しています。
考えられるのは、ブラジリアではENLもなんらかのプランを組んでLLPに挑んできた、少なくともRESの事前計画に干渉するような形で序盤にLLPを進めようとしていた可能性です。ブラジリアでRESのLLPはM1では封殺されたレベルのスコアに留まっており、最大スコアを記録したのは続くM2です。このことから、ブラジリアでは開幕で両陣営がLLPにて衝突したこと、RESは開幕で失敗するもM2で当初プランに近い形のリカバリーに成功したということが推察できます。
もし挽回に失敗していた場合、スコアはUPH逆転圏外となることも考えられ、おそらくはまったく違うゲーム展開になっていたことでしょう。

◯通常クラス

ここより下になると、同都市の敵陣営との数字がだんだん接近してきます。平均値(27.45%)の周辺となる30%台や20%台の数字をこの区分に入れるのが妥当でしょう。

平均リンク推定長が500m〜1kmぐらい。エリア全体を使った特別な全体作戦は存在しないか、計画された長いリンクを1〜3本程度絡めたぐらいの結果がこのクラスに分類されることになるのではないかと思います。記録タイミングはM2〜M8までに分布しており、これといった傾向は見いだせません。

言い換えれば、事前の綿密な全体計画なし当日の成り行き任せで到達できるのは対エリアサイズで35%ぐらいが限度だということです。

◯被封殺クラス

10%台やそれ以下になると、今度は各計測のLLPスコアに徐々に0(もしくは極めて近い値)しか獲得できていないケースが増えてきます。その中で特異的に1回だけ記録した高値が最終スコアになっている、そんな傾向が読み取れます。

これは(意図的か結果的にかは判然としませんが)敵陣営による妨害もしくはエリア全体の支配を通じた封殺が行われた、結果として大半の計測でまともなLLPスコアが記録できない状態に陥っていたのだと考えるべきでしょう。
プサン、ヘルシンキでは敵が終始高いLLPスコアを出していることから、ゾーン全域が敵に支配されたメッシュ状態になっていたのではないかと思われます。
カウナスはおそらくENLが意識的にRESスタートポータルの破壊を指向していたのではないかと思われます。一方マディソンENLについては単にまともにリンクが伸ばせない程度に力負けしていたのではないかと推察できるような数字が並んでいます。

どんなに封殺しようとしても、9回ある計測のうちで1〜2回は綻びが出るもので、そのときエリアサイズに対して10〜15%ぐらいの数字は出せる、ということがこれらのスコアからは推察できます。

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