Nemesys: Myriad stats talk (2) スコア変動傾向を読む

前回の記事はこちらです→ (1)各都市スコア短評

(2)および(3)[後日公開予定]はGameDeep vol.36に先行して掲載したものです(ただし作表の都合などで若干内容は違います)。
同人誌掲載版であらかじめお断りしたように(あんまり話題が風化しすぎない内に)ぼちぼちと公開していきたいと思いますのでよろしくおねがいします。

◯スコア変動の傾向を見る

今回はMyriadアノマリー各都市について、ゲームの流れの傾向を見るために、スコア変動の傾向を追ってみましょう。

上に示した表は(各都市の勝利陣営の側から見た)シャード戦+LLPのスコアについて、計測ごとの変動を見るためのものです(相対スコアなので、勝利陣営の数字には敗北陣営の動きも反映されています)。

背景色が黄色なのは直前の計測からスコアが向上したところ、橙色なのは直前からスコアが減少した(敗北陣営からの反撃を受けた)ところです。M1は比較対象となる直前計測が存在しないので変動していません。

M9は全都市でスコア変動なし、というのはちょっと面白い点です。また、マディソン以外の全都市でM1では勝利陣営がリードしているという共通点があるのも興味深い点ですね。

それからM2では流石に全都市でスコアの変動があります。それも多くは減少方向の変化です。傾向が変わってくるのはその先になります。

◯スコア不動組

プサンモントリオールブラジリアがスコアがほぼ変動しないグループです。これらの都市はいずれも
 ・M2までにLLPで勝利陣営が大きなLLPスコアを記録している
 ・シャードでも序盤に採用もしくは準じるスコアを記録している
という点が共通しています(具体的なスコアの動きについては 前回記事を参照してください)。

ただし、各都市のスコアの動き方・勝ち方は各様です。

プサンはM2でいくらかの反撃を許していますが、その先は減少するような変動はなし。完全な完勝ペースでゲームを進めたと言えます。

モントリーオールはM3までに大きくスコアを落としているのが特徴です。M2でRESのシャード初ゴール、M3でRESのLLP初スコアを記録したのが原因です。ただしそこから先は完全な不動。開幕時の完封が流石に崩されたということですね(そもそもM1の200点が出来過ぎということですが)。

ブラジリアはSB+LLPの範囲では(勝利陣営側が)劣勢である点が特徴です。前回記事で示したLLPスコアの内訳を追っていくと、終盤はENLのLLPがほぼ野放しにされている様子が見えてきます。「盤上」のスコアを気にせずUPHに専念したことが結果としてRESに勝利をもたらしたと言うことのようにも読めてきます。

逆に序盤で大きなLLPスコアを記録しながらこのグループにはいっていないのはカウナスなのですが、これはLLPで勝利級のスコアを記録したENLが次にシャード戦に集中しはじめM5までスコアを更新し続けたこと、そしてENLがシャードに集中した余波なのか、RESは逆にLLPでたびたびスコアを更新していたこと、の2つが重なって、終始スコアが変動し続けるようなゲームとなったものです。

◯スコア変動組

残るバンドン、ヘルシンキ、リヨン、カウナス、マディソンは少なくともM5まで、大半はM7〜8までスコアが動き続けるゲームでした。

ヘルシンキRESのスコアからは、彼らが時間帯でやることを切り替える作戦を採っていた可能性が読み取れます。M1〜3はLLP,M4〜M5はシャード、そしてM6以降は徹底した敵の得点妨害です。ヘルシンキRESがゲーム中最大のスコアを記録したのはM5で、これはMyriadシリーズの勝利陣営中で最も遅いタイミングで、かつそのまま勝利した唯一のケースです。
他は序盤(ほとんどはM1)に記録して、そこから少なからず得点を削られながら安定していくという展開ですから、ヘルシンキのこの動きは特色があると言えそうです。

先程とりあげたカウナスも実はヘルシンキに近いケースかもしれません。ただ、カウナスでのENLは序盤からシャード戦でもそれなりのスコアを記録しており、ヘルシンキRESほどの明確な切り替えではなく、軸足を移したぐらいの変化に留まっています。

バンドンリヨンは乱高下するタイプの変動で、いずれの都市でも序盤に相手が優位を得た競技に対し、互いに敵のリードを切り崩しに行った結果スコア更新が頻発するという流れをしています。正しく接戦と言える展開でしょう。

マディソンも互いに切り崩しに言っているという点も含めて乱高下タイプと言ってよい、と思うのですがその極端さ切り崩せていない感じで少し毛色が違います。むしろ完全に戦略を棲み分けた上で、互いにUPHで勝負を決めに行った、というような気配すら感じるところです。


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