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なにやってるかわからなかった(77.5)

昨夜、福岡市の沿岸部は吹雪だった。
吹き荒ぶ白い風。上着のすき間というすき間から雪が入り込み、まるで裸で歩いているような寒さ。まさに、命懸けの喫煙だった。

なにも暴風雪の中で吸わなくたっていい。わたしだってそう思っている。でも、過酷な環境下だからこその味わいがあるんじゃないか。そのような一縷の望みにすがって、外に出てきたのである。

身震いしながらライターを扱うが、うまく働かない。一瞬にして吹雪に吹き消されてしまうのだ。しかたなく風が弱まるのを待つが、そのあいだにも刻一刻と体温は奪われていく。奥歯がかたかた音を立てる。

待つこと15秒ほど、風の切れ目で点火に成功。震え、身悶えながら、なんとか事を為して部屋へと戻った。そこで得た感想は次のようなものだ。

「なにやってるかわからなかった」

いまだ雪のちらつく今朝の体重は77.5kg。路面が凍て付いていて危険なのでジョギングは中止。

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