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かき男とかき子(77.0)

蕎麦屋で「酢がき」を注文した。
酢がきとは軽く酢で締めた牡蠣。生のフレッシュさと、茹でのプリっと感が同時に味わえる料理だ。

はやる食欲を抑えて写真を撮ると、娘が言う。
「ベイビーみたい。かお、かいていい?」

そこには、なんとも愛らしい双子が現れた。こんなにかわいい牡蠣を手にかけるなんて。そんな残酷なことが、このわたしにできるのだろうか。

そうだ、このままタッパーに詰めて家に連れて帰るのはどうだろう。家族として一緒に暮らすのだ。名前はかき子とかき男にしよう。賑やかな家族の日常が今日から始まるんだ。いそがしくなるぞぉ。ふふ、ふふふふふ……

半狂乱で口にした「酢がき」の味をわたしは忘れない。福岡市にある蕎麦屋「出谷右衛門」の一皿である。冬のうちにもう一度、かき男とかき子に会いたい。


体重は77.0kg。現状維持である。

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