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三途の川

「三途の川」
誰でも聞いたことがある川の名前。
私の家の近くに川があって買い物の帰り道にふと思った。

この川を渡ったら今の世界に戻れなくなる。 それでも私は渡るだろうか…

生前、彼が突拍子もなく私に言ってきた。
「三途の川を渡る前に、これまでの記憶を消す水を飲むかどうか決めなきゃいけないみたいだけど飲まんとダメ?」
私はとっさに
「それは飲んだ方がいい」
と答えました。

彼は元々、そうゆう話は信じない人だったけど自分の死が間近になってスマホで見たんだろうと思う。

今日川を眺めながら思った。 私ならどうするだろう?
そもそも渡らなきゃいけないのだろうか?
彼に飲んだ方がいいと言ったのは輪廻転生があるとした時、記憶が残っていたらそれは邪魔になるんじゃないかな?と思ったからだ。
生まれ変わった時、何に生まれ変わるのかも分からないし彼の家族や私が生きているとも限らない。
それなのに記憶だけあるというのは残酷な気がした。
彼に来世があるのなら、楽しんでほしいと思う。

これがうちの近所の川。
ここを渡る…
全てにさようならをして渡る…
その時、周りに人はいるんだろうか。一人だったら寂しいし決めるのに時間がかかるだろうな…
そんなことを感じました。
私のイメージではもっと大きい川。
その川は冷たいんだろうか…
それとも少しは入りやすいぐらい温かいのだろうか…

存在するかどうか分からない川の事で、これだけ想像している私はどうかな?と思っていたけど笑
もし、あるとしたら彼はとても寂しかっただろうな。
でも、消したくない記憶があるという事はそれだけ幸せだったということ。

私もやっぱり忘れたくない。

架空の世界の話だけど、実際あったらどうなんだろう?と思った。
「もう充分に生きれたから」
と笑って全てを忘れて渡れるような人生にしていきたいと思った。

#三途の川 #彼 #充実した人生 #現世の記憶  

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