遅咲きの桜と出会った話
4月がまもなく終わる頃、地元千葉県にある祖母の家に遊びに行った。
御年85歳。祖父が4年前に他界し今は一人暮らし。
30代の私よりもよく食べ、よく笑う祖母である。
祖母とはおよそ10年間、同居していた時期があった。
自然豊かというほどには住宅ばかりで、資源豊かというには最寄駅までバスか車でないと辿り着かない不便さ。いわゆる「中途半端な田舎」と言われる場所だと思う。
学生時代の私は、早く都会へ行きたいという思いを原動力に、あの頃を生き延びていた。ちょっと大袈裟だけれど、片道1