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エフェクトをかけて鼓動を聴く


ヘッドホンが世のファッションアイテムと化したのはいつからだろう。

移動に音楽は必須だけどできるだけ身軽でいたい私は、春先から秋の初めまではもっぱらイヤホンで冬になるともはや寒さ凌ぎとしてのヘッドホン派。
正直ヘッドホンがファッションテンプレとなっている事への対抗心もある。



私の使っているイヤホンとヘッドホンのメーカーにはアプリがあってエフェクトをカスタマイズできる。
エフェクトといっても大層な変化をさせるわけではなく、私はいつも重低音をかなり大きめに爆音で、特にハルカミライを聴く時はより一層そのレベルをあげる。


ハルカミライは生粋のロックバンドというより、橋本学の歌声があってこそ完成する集団だと私は思っていて、ブルーハーツみがあると勝手に表現してる。
フリージアンの前身バンドCOSMOSの頃から好きな、情熱あふれるマエダカズシ氏もまさにブルーハーツみ。
フリージアンの1stアルバムにまさかの学さんがコメントを寄せた時、私の好きが学さんに認められたような感覚になったのを覚えている。

今気付いたけど、ハルカミライもフリージアンも4人体制といえどセンターはほぼボーカル専門人間なわけで実質楽器は3ピース。
音の厚みが増すツインギターも好きなんだけど、何一つ欠けられない、でも個々が爆発して最高な形になっている3ピースの魅力がたまらなく好きでその観点で言ったらこの2バンドも共通しているのか。

思わぬところで自分が好きなものの軸がはっきり現れてうれしくなっちゃう。
脱線して愛を語りそうになっちゃうのでよかったら聴いてみてね、フリージアン。



そんな学さんの声あってこそ、と言うけどもちろん須藤さんは私の尊敬するベーシストで彼の編曲もコーラスもたまらなく好きでまあとりあえず大好きなんだけど、正直なことを言うとハルカミライのベース音は小さくてそこまで聴き分けの良くない私には物足りない。
でもそれがハルカミライのスタイルでありJ-POPにもルーツを持つ学さんの魅力で、だからこそ基本3ピースに惹かれる私が魅了されいつからか人生を支えられるまでになったんだけど。


でもやっぱり私は音源でも須藤さんのベースを目一杯味わいたいのです。

力強く儚い学さんの声、メキの暴れ出す姿が瞼に浮かぶギター音、軽快で疾走感のある小松のドラム、そして3人のコーラス
その全部をすり抜けて私の芯まで響く重厚なベース。
ライブではもはやベースを弾かずひっくり返してることも多くて、よく気が狂いイカれた表情をする須藤さんのそれが聴きたいんです。


意図があって各楽器ボリューム調整されていることもわかってるし、素の音源こそ彼らが狙った作品であると言われたら何も言えない。

でも須藤さんのベースは私の心臓で、
須藤さんの奏でる音は私の鼓動だから。

騒がしい中ドシンと構え、遠くに、でもしっかりと聴こえる。
どんな心情の時も私の歌だと錯覚させて寄り添ってくれるハルカミライの歌に、血が通っている事を認識させられる。
その音を爆音で耳に流し体の芯に響いた時、私は生きている事を実感する。
心臓が物理的に響いて揺れることを体感する。





須藤さんの音を大きくして聴きたいと思えるうちは、こころがなんとかやってけてる証拠だと思う。


まだ生きていたいから私は今日も重低音を大きくして、自分の心臓と重ねたあなたのベースを聴く。








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