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無事帰還

■2023年(両親81歳)

10/3
父、救急搬送 続き(3)

しばらくして点滴を付けたままの父が車いすで連れて来られ、共に泌尿器科へ向かう。

改めて、泌尿器科の先生がエコー写真を見ながら説明してくれる。

水は溜まっているが特に問題はないとのこと。

膀胱に関しては、昔この病院で陰嚢水腫の手術をしたことがあった。

その履歴も残っていたようで、調べると2014年だった。もう10年ほど前のこと。

また脳神経内科に戻り、点滴が終わるのを待つ。

帰りはちゃんと父が車に乗ってくれるか心配が募る。

看護師さんに相談し、父を見ておくので病院の前まで車を持ってきていいと言われる。

外へ出るとすっかり暗くなっている。もう18:00。

車を入り口正面に付け、中に入ると、看護師さんが父の車いすを押して来てくれていた。

父は途中で立ち上がり、なにか抵抗している。

看護師さんとあれやこれやと説得しても、一向に車の方へ進んでくれようとしない。

悪戦苦闘の末、やっとの思いで助手席に座ってもらい、シートベルトを締める。

今回ばかりはもう乗れないかと思ったが、何とか乗り込めて助かった。

車中でだんだんと父が落ち着いてくる。

車を走らせながら話しかける。

尚子「良かったね、お父さーん! 何とか乗れたね! 大丈夫?」

父 「良かった、ほんと良かったよ。」

父、左手でおでこを触りながら、参ったなぁという表情。うっすら笑っている。

尚子「疲れたでしょう? はー、もう乗れないかと思ったよ! よく乗れたね!」

父 「良かった。大半でこういうことになっちゃうもんね。」

尚子「そうだねー! 疲れたね! 今日はゆっくり休んでね!」

父、目をつぶりながら穏やかな表情で、父の肩をさする私の手をなでながら受け答えしてくれる。

救急搬送はされたが、入院には至らず帰ることができて本当に良かった。

父も訳分からずも色々なことをされ、さぞ疲れたことだろう。

今日はとにかくゆっくり休んでほしい。

それにしても、今日の発作は何だったのか。

てんかん薬を始めてまだ1年経つか経たないかとうところで再発。

今回は、「大きな発作」に値するのだろうか?

よく分からない。

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