微熱にただよう
昨夜37.4℃の熱が出ました。
会社に連絡して明日の朝もう一度連絡しますと言いました。今朝目が覚めても熱は下がりませんでしたが身体は辛くなかったので、会社に出勤する旨を伝えました。
辛くなかったと言っても本調子ではありません。
熱がある時特有のあのふわふわした感じが全身を包んでいて、朝8時から20℃越えの陽気も相まって、いつもの通勤路がなんだか違う道に見えます。
"記録色"と"記憶色"という言葉があります。カメラを趣味にしている人は耳にしたことがあるかもしれません。"記録色"は見た目通りの色。"記憶色"は記憶にある色。個々人の大脳皮質の中で補正をかけられた色ということですね。
駅まで徒歩10分のいつもの道は今見ているはずなのに、まるで記憶色で見ているような不思議な感じがしました。強い日差しが照らし出す鮮やかな朝の街を、私はふわふわした頭で感じています。
電車に乗って品川に着いたところで会社から電話がありました。感染症の可能性があるので今日は休んでほしいとのことでした。折り返して反対側のホームに並びます。
ゴールデンウィークだからでしょうか。まだ朝の8時ですがスーツケースを持った人がたくさんいます。それも色とりどりな。まるでギフトボックスみたい。
家へ戻る電車の中で、なんとなく何か書きたくなってnoteを開きます。耳に突っ込んだイヤホンからは"kuroのVIDEO"が流れています。
きっとこの色も記憶色なんだろうなと思います。いつもは日が落ちてから再生するこの曲も、微熱に揺蕩うまとまらない頭の中で鮮やかな朝の気配を存分に滲ませています。
ぼーっとnoteを書いていたら降車駅を過ぎてしまいました。次の停車駅で降りて慣れないホームにキョロキョロと頭を動かして、再び反対のホームへ向かいます。
目的地もなくふわふわとした頭と身体で同じところをただようなんでもない微熱の朝の記憶の記録。
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