& episode 026
提出に間にあわせるべく、logoは鎌倉に住み農家をしながらデザイナーをやっている将太という50代の知り合いに任せることにした。
将太は僕が学生の頃あるデザイン展のオープニングパーティをきっかけに知り合い、将太がこよなく尊敬しているデザイナーが皆川さんだと話すと、僕のくにちゃんもオフの日の散歩バックは10年以上mina(ミーナ)を愛用しているので、すぐに意気投合をした。
「もの」の強みだと思う。
今でこそ「コト消費」というものを消費するより出会いや機会にお金を払う流れがあるけれど、僕として「もの」が持つ作り手が考える出会いの広がりや安心感というのは数値化されてはいないけれど時代の人をつなぐインフラになっていると思っている。
例えば、数百年前に時代を支えた繊維業。
エルメスのバーキンは、日本ではセレブリティなバックとして認識されているが、あれはすべて人の手で加工され、今でも人の手で縫製されている。
バーキンを持っている人に強い憧れや安心感を持つのは、金額だけでなく買い物への姿勢なんじゃないだろうか。
きっと、くにちゃんは自分でご褒美にバーキンを買える女性になると思う。
周りからもそれを認められ、さらに憧れの対象になる。
そうなんだろうな。と思うし、僕もそうなって欲しいなと思う。
バーキンを買ったくにちゃんへ、僕はどこに連れて行こうか。
僕が設計・デザインした有名な老舗レストランとか。
そうだとロマンチックだな。
出来上がったロゴが、クラッカーの横になじむように置いてある。
「美味しそうなもの」と「合う」感性は、くにちゃんの感性によく似ている。僕は、ホッとし、口元がゆるりとほころんだ。
くにちゃんが国を超えてなんどもお取り寄せし、これだ!最近の我が家に欠かせないナンバーワンクラッカーに指定したのは、
久世福商店の「全粉乳クラッカー」
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