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映画評 すずめの戸締り それほどでもない

「すずめの戸締り」、前評判が良かったので、テレビで放映されるときに見ました。
最近の日本映画界では、黒沢明が亡くなった後、後継者がいない。ビートたけしはうまいけれど、基本彼は芸人。また年でもある。
宮崎駿もいわば巨匠といっていいが、年だしアニメ界。
私は深海誠もいいと思うけれど、今回で評価は変わったかも知れません。

いずれにせよ、実写界にはハリウッドにも日本にもいないような気がします。
クリストファーノーランはうまいけれど、「オッペンハイマー」は見ていないけれど、特に好きな監督ではないし。

そして深海ですが、「君の名は」は良かったです。「天気の子」は微妙。
しかし、そうは言っても多くある長編アニメ映画、出だしから見たくないものが多い。観客を引き付けることがそれらは出来ていない。
最後まで見ようと思わせるもの、引き付けるという点では深海は上手だと思います。

しかし今回の「すずめ」は出来はそれほどでもなかった。世間で騒ぐほどではない。

物語は:
日本全国で災害の元になる扉を閉めて回る青年がいるが、うっかり、扉を封じる石を解除してしまった女子高生が呪いで椅子に変えられた青年と共に、呪いをかけた要石の化身の猫を追いながら、各地の扉を閉めるというもの。

私の感想としては
・青年が椅子に変えられない設定の方がよかった。人の姿のまま活躍するべき。
・災害テーマが多すぎる。この点、少々不謹慎ですらあると思えた。つまり、深海は冷静に災害を客観視しているということだから。
(これに関してはネットでも同意見があった。まだ世間では忘れていない事案であるし、災害はリアルタイムで起こっている。遠い昔のネタにしていい事案ではない。そんなことを察知できないくらい深海は若い、幼いということなのだろう)
・テンポが遅い。猫を追うだけという感じ。もっと目的を明確にして、客に先がどうなるかワクワクさせる脚本にすべき。
・お涙頂戴が多すぎ。この点、「天気の子」もそう。「君の名は」にはそれがなかったからよかったのかもしれない。こちらはどちらかというとユーモアがあったが、後の2つは少し重い。

こんな感じです。

なんとなく、宮崎を彷彿とさせる雰囲気が深海にはあります。
深海の持ち味は、日常のなんてことない風景をアニメ=CG?にして、美しく描写することにあると思います。それは宮崎アニメにはないもの。彼=深海の短編などにはよくあったけれど、今回の長編にはあまり見られなかったように感じます。

確かに実際にある東京、お茶の水などは興味深かったけれど、描写はそれほどでもなかった。

というわけで深海は
自分の持ち味の映像を生かすこと。
脚本をもっと練ること(数人で考えることも良い)。原作を使ってもいいから。そして災害テーマから離れてはどうか。
そしてテーマはドラマチックであっても、暗く重くしないこと。ユーモアを大事にすると。

などを(上から目線で)アドバイスしておきます。

PS:
私は松任谷が好きじゃないのだけれど、宮崎さんが使ってうんざりしているところに、深海も使うって、深海も松任谷のファンなのか。そもそも宮崎が使っているのだから被るのを避けるのが普通。~あるいは深海は同じものを使って宮崎好きをアピールしたかったのか。


ココナラ
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