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聖闘士星矢と車田漫画

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聖闘士星矢全般と車田正美作品について。いつかサイレントナイト翔の分析もまとめたい。
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残念ながら精神と力が一致しきらなかった:『聖闘士星矢 The Beginning』感想

残念ながら精神と力が一致しきらなかった:『聖闘士星矢 The Beginning』感想

気がつけば上映終了がすぐだったので先日見に行ったツイートまとめ+追加感想。
内容にあまり深く触れてはいませんが、ネタバレの考慮はしていません。

評価見る前
「どうせ東映の聖闘士星矢だし……」と微塵も期待していない。

見た後

レビュースコアは個人的評価です。
私は昔と同じキャラやキャストであることに重きを置いて見ないので、見る人によってかなり変わるとは思います。

よかった点アクション

基本

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聖闘士星矢のアニメ版初期聖衣は姫野美智さんデザインだった

聖闘士星矢のアニメ版初期聖衣は姫野美智さんデザインだった

初期聖衣というのは画像のようにマスクがヘルメットになってる青銅聖衣のことです。
特にペガサス・ドラゴン・フェニックスあたりは当時違和感を覚えた人も多かったと思います。

私も子供心に黄金聖衣と新生青銅聖衣はほしかったけど、初期聖衣はちょっと……でした。

まんだらけZENBUきっかけは先月、TLで『まんだらけZENBU 112号』のツイートを見かけたことでした。

実際に購入して読んでみたところ、

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『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY』インプレッション2 & 『聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON』

『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY』インプレッション2 & 『聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON』

チャンピオンRED 2022年11月も聖闘士星矢で盛りだくさんだったので新作2本のまとめです。
ネタバレがある箇所は今回も見出しに記載します。

それにしてもチャンピオンREDもいつのまにか20周年なんですね。
石川賢先生の『真説魔獣戦線』が載っていた最初のころが懐かしいです。

『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY Vol.1 後編』前回の記事はこちら。

前編もそうでしたが、なぜかフランスで

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『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY』インプレッション

『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY』インプレッション

チャンピオンRED 2022年9月号に掲載された同作が面白かったので簡単に内容をまとめます。
ネタバレがある箇所については見出しに明記します。

『聖闘士星矢 TIME ODYSSEY』とは作者

聖闘士星矢のスピンオフ作品。
最大の特徴は、これまでのスピンオフコミックは日本人の漫画家が手がける漫画だったのに対して、TIME ODYSSEYはジェローム・アルキエとアルノー・ドレンが手がけるバンデシ

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『セインティア翔』の決着が『聖闘士星矢』原作に寄り添っていて素晴らしかった

『セインティア翔』の決着が『聖闘士星矢』原作に寄り添っていて素晴らしかった

最終巻がよすぎて幾度となく読み返しています。
何もかもよかったけど、やはり原作に沿ったバトル観の上にドラマが構築されていたのが素晴らしい。

聖闘士星矢は知ってるけど『セインティア翔』って何ぞや?とか聖闘少女って何者?という人は少し前に書いたnoteを見ていただければ。

一口にバトルと言っても色々あると思いますが、個々の戦いの逆転劇とかコマ割りがどうこうといったミクロな観点ではなく、パワーバラン

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〜素顔の女子聖闘士はどこから来たのか?〜 『聖闘士星矢 セインティア翔』考察

〜素顔の女子聖闘士はどこから来たのか?〜 『聖闘士星矢 セインティア翔』考察

『セインティア翔』について耳にした星矢ファンの反応は大体三種類。
「女体化?」「仮面の掟は?」「サイレントナイト?」

八年に渡る連載を終えて無事完結した本作ですが、“素顔の女子聖闘士達が主人公”という設定がネックになって未読の聖闘士星矢ファンも少なからずいるのではないかと思います。

しかし、セインティア翔は食わず嫌いで済ますには少し勿体ない作品に思います。
そこで、セインティア(素顔で戦う女子

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少年エース創刊のきっかけは車田正美だった

少年エース創刊のきっかけは車田正美だった

先日、話題になっていた『KADOKAWAのメディアミックス全史』より。
メディアミックス全史は角川社史の三番目に位置する書籍です。
著者は角川グループホールディングスやメディアワークスの代表取締役社長等を務められて有名な佐藤辰男さん。

たしかに誌名からして『少年〜』ってついてますからね。

当時のCMでもエヴァの次くらいの扱いだったような気がします。
『B’T X』は文中ではあまりヒットしなかっ

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聖闘士星矢がアニメ・玩具の企画ありきだったというデマの話

聖闘士星矢がアニメ・玩具の企画ありきだったというデマの話

星矢ファンなら割とネットで目にしたことがあるデマですね。
最近、この話について立て続けに興味深い発言が出てきました。

鳥嶋さんのインタビュー電ファミニコゲーマーに何度も面白い対談・インタビューが掲載されている、元ジャンプ編集長で鳥山明先生の編集者だった鳥嶋さん(Dr.マシリトのモデルで有名な方です)。

インタビューから引用すると、“『ジャンプ』で優秀だった3人のライバル編集者”というパートで

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風魔の小次郎 究極最終版から読み解く聖闘士星矢のネタ元(1):魔星と聖剣

風魔の小次郎 究極最終版から読み解く聖闘士星矢のネタ元(1):魔星と聖剣

初めて『リングにかけろ』『風魔の小次郎』を読んだ時、聖闘士星矢で使われるネタだらけで驚いた。その大半はコマ中のネタだが、一部は扉絵等を由来としている。

昨年末より刊行を開始した「風魔の小次郎 究極最終版」では連載当時のカラーページ、扉絵、アオリの再現をウリにしている。この記事では今まで単行本未収録だった要素に着目して聖闘士星矢のネタ元を探っていく。

『風魔の小次郎』とは『リングにかけろ』で大ヒ

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ミロとカミュの関係:聖闘士星矢の原作解釈

ミロとカミュの関係:聖闘士星矢の原作解釈

『聖闘士星矢』の話をしよう。
昨年末からアニメがスタートした久織ちまき先生のスピンオフ『セインティア翔』では黄金聖闘士が信念ある戦士として描かれている。
多くのアニメやスピンオフが黄金聖闘士の“私”を描く傾向にあるのに対して、黄金聖闘士それぞれの信念を描き分けるのは作者の愛ある原作解釈の為せる技だろう。

そんな黄金聖闘士の原作解釈について長年気になっていることがある。
それは「ミロとカミュは親友

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