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【美術展レポ】モネ連作の情景 東京展に行ってきました

2024年は、月に一度美術館に行くことにしました。初めてこんな雑誌も買って、美術館巡りを今年は楽しもうと思っています。

この雑誌には、美術展の年間スケジュールも載っていて、それを見ながら、次はどこに行こうかなとワクワクしています。

日経おとなのOFF
美術展年間スケジュール

さて、1月は上野の森美術館で開催されていたモネ展に家族4人で行ってきました。やっぱりモネ展に行こうと思い立ったのが、会期終了の1月。

日時指定券は完売で、当日券が入手できたらラッキーと思って行ってみたところ、予想どおり、当日券購入待ちの長い長い行列……。

でも、1時間ほど並んでいれば15時半の部のチケットが買えると聞き、待つことにしました。列に並ぶのは夫にお願いして(夫さんありがとう)、私と子どもたちはその間に国立科学博物館で開催されている「和食展」を見学しました。上野には他に美術館や博物館があるので、いいですよね。

これから大阪展も始まるようですが、モネ展は大人気なので、特に週末は日時指定券の購入をおすすめします。



モネ 連作の情景


● 展覧会名
モネ 連作の情景

●会場、会期
上野の森美術館 https://www.ueno-mori.org/
2023年10月20日(金)~ 2024年1月28日(日)

大阪中之島美術館 https://nakka-art.jp/
2024年2月10日(土)~ 2024年5月6日(月・休)

東京展は先月で終了し、2月10日から大阪展が始まるようです。

こちらの展覧会の見どころは、とにかく全部モネ!100%モネ!というところです。

1874年に第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、東京と大阪を会場に国内外のモネの代表作60点以上が一堂に会す本展では、モネの代名詞として日本でも広く親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフとした「連作」に焦点を当てながら、時間や光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿ります。

公式ホームページより

モネと聞くと、私は「睡蓮」を思い出します。色使いが優しくて繊細な印象です。睡蓮以外にどんな作品があるのだろう。私が印象に残った作品をいくつか紹介します。

モネ初期の作品

ルーブル河岸

ルーヴル河岸 
1867年頃 油彩、カンヴァス 65.1×92.6cm デン・ハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag - bequest Mr. and Mrs. G.L.F. Philips-van der Willigen, 1942
公式ホームページより

この作品は、ルーヴル宮殿の東ファサードから見下ろして描いた作品だと考えられているそうです。

絵の中では、人々がとても小さく細かく描かれていました。私も隣で観ていた次女も、「すんごい細かいね。でも何をしているかよくわかるね。」と、その繊細な描写に見入ってしまいました。


昼食

昼食
1868-69年 油彩、カンヴァス 231.5×151.5cm シュテーデル美術館 © Städel Museum, Frankfurt am Main
公式ホームページより

「睡蓮」のような絵の印象しかなかった私にとって、初期の作品には驚かされました。こちらもその1つです。

食卓に座るのは、後に結婚するカミーユと息子のジャン、幸せそうな2人を見守る来客の女性と、様子をうかがう使用人の姿だそうです。当時の生活が垣間見える絵ですね。


色使いの変化

ヴェンティミーリアの眺め

ヴェンティミーリアの眺め
1884年 油彩、カンヴァス 65.1×91.7cm グラスゴー・ライフ・ミュージアム(グラスゴー市議会委託) © CSG CIC Glasgow Museums Collection. Presented by the Trustees of the Hamilton Bequest, 1943
公式ホームページより

本作はイタリアのボルディゲラからフランス方面を見た風景で、画面右側にはヴェンティミーリアの街並みが描かれています。この頃から、それまであまり用いなかった青やピンクなども使うようになったと説明にありました。

私が知っている「モネ」の印象に近くなってきたのを感じました。色自体も、色が重なる様子も本当に素敵でした。


連作の情景

今回の展覧会名にもなっている「連作」とは、同じ場所やモティーフを異なる季節や天候、時刻のなかで観察し、刻々と変化する印象や光の動きの瞬間性を複数のカンヴァスに連続して描きとめる手法のことだそうです。

積みわら

ジヴェルニーの積みわら
1884年 油彩、カンヴァス 66.1×81.3cm ポーラ美術館
公式ホームページより


積みわらを題材にした作品がいくつもありました。同じ対象物であっても、天候や季節によってまるで異なる様子が描かれていました。上の作品では、明るい日差しが降り注ぐ様子が美しく、下の作品では、まるで銀色の彫刻のように冷たく輝いています。モネの観察力の鋭さが感じられますね。

積みわら、雪の効果
1891年 油彩、カンヴァス 65.0×92.0cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー © National Galleries of Scotland. Bequest of Sir Alexander Maitland 1965
公式ホームページより


晩年のモネ

睡蓮

睡蓮をモチーフにした多くの作品は、ジヴェルニーにある自宅の庭で描かれたものだそうです。

子どもカメラマンのため曲がってる……
睡蓮
1897-98年頃 油彩、カンヴァス 66.0×104.1cm ロサンゼルス・カウンティ美術館 Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13, photo © Museum Associates/LACMA
公式ホームページより

この作品は、連作初期の睡蓮とのことです。私が知っていたモネの睡蓮の作品よりも、睡蓮がよりはっきりと、そして力強く描かれている印象を受けましたね。

睡蓮の池

睡蓮の池
1918年頃 油彩、カンヴァス 131.0×197.0cm ハッソ・プラットナー・コレクション
© Hasso Plattner Collection
公式ホームページより

この作品をみた時、その壮大なサイズにまず圧倒されました。今で言う「くすみカラー」に近い上品な色合いで、睡蓮の花、葉、そして水面が描かれています。これらの色の重なり合いが、とても柔らかい調和を生み出していました。

極楽浄土?

晩年のモネは、自宅の池に咲く睡蓮を題材に、多くの作品を生み出しました。睡蓮と似た美しさを持つ花、「蓮(はす)」は日本のお寺にある池の風景には欠かせないものです。

蓮と睡蓮を総称して「蓮華(れんげ)」いい、仏教では「尊い仏の悟り」という意味があるそうです。

睡蓮と池の組み合わせから、極楽浄土のイメージが浮かび上がり、私は仏教との繋がりを感じました。モネが晩年に過ごした家の庭は、浮世絵や友人たちの話からインスピレーションを受けて、日本庭園を意識して造られたと言われています。

晩年のモネの内なる心は、どこか仏教的な感覚にふれていたのでしょうか。


ミュージアムショップ


展覧会場は人であふれていましたが、ミュージアムショップも大変な混雑で入場制限がかかっていました。でも、美術展を訪れた際にはミュージアムショップをに寄るのは必須です。子どもたちもショップが大好きなので、私たちは約20分待ちました。

モネの作品の柔らかく暖かみのある色合いがとても好きです。気に入った作品のポストカードのほか、モネ風?のポストカード用のフレームも購入しました。

モネ風のブルーのフレーム

モネの作品の色合いの美しさの余韻にひたりながら、帰路につきました。
しかし、大人気ですね……大混雑でした。ゆっくり観たい方は平日が良さそうです。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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