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さよならの3月

私は別れのとき、見送る側の人間であることが圧倒的に多い。

人との縁が薄い人生だ。
これまでずっとそう感じてきた。
ずっと仲良くしたい人ほど遠くに行ってしまう。
自分が努力しなきゃ切れてしまう。
そんな関係ばかりに疲れてきたんだ。

つくづく人付き合いが不器用だ。これはもう仕方がないと半ば諦めている。今でも仲良くしてくれる人の寛容さには感謝しかない。

結局、友人と呼べる人を見渡すと、久しぶりの再会なのにまるで昨日まで会っていたかのように話せるような人ばかりが残った。

仲良くなってもどうせ離れ離れになる。遠くにいっちゃう。
それでも。これまで築いてきた関係を失うことも、手放すこともしたくない。
そんな気持ちになることも、たくさんあった。何で私ばかりって思ったことも、たくさんあった。

縁があればまた会える。自分が会いにいってもいい。

さよならだけが人生ならば、
出会う人に柔らかいながらも鮮やかな印象を残したい。

いつか私も見送られる側になる日が来るのだろうか。

さよならだけが人生ならば、
そのときは春風みたいな軽やかさで立ち去りたい。

そんな気持ちを抱えて、今日もひとり大切な人を見送った。

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