すべてのプロジェクトはブリーフから始まる
KV: Art direction: David Robert Design: Michael Towers
*個人ブログからの転載
ブリーフというもの
少し前にはなりますが、YL Projects でクリエイティブ・ブリーフに関する映画の上映会をやりました。
今回は、「クリエイティブ・ブリーフ」に関して書こうと思います。
この世の中は大中小様々なプロジェクトが存在し、プロジェクトで世の中が成り立っています。
都市開発のプロジェクト、お店を作るプロジェクト、ブランディングのプロジェクト、ウェブサイトを作るプロジェクト、本を制作するプロジェクト、はたまた〇〇さんのお誕生日会のプロジェクトなど。
小さいものまで含めると、皆さんの日々の生活や仕事はすべてプロジェクトと呼ぶことができて、その一つ一つのプロジェクトが、この社会を創っているのではないでしょうか。
そしてこのプロジェクトに欠かせないのが、初回に行う「ブリーフ」です。つまり、誰かに物事を簡潔に伝え、アイデアを集める時にブリーフが行われます。
そして、どのプロジェクトが始まる時も、ブリーフがあって、そのブリーフによってプロジェクトの完成度や洗練度が変わってくるよね。
と言うのがこの映画のコアな部分です。クライアントからブリーフがあるから、ミーティングできる?今、こう言ったプロジェクトがあって、近々ブリーフさせて欲しいとか言ったりします。
私自身これまで仕事を通して数々のブリーフを見てきて、自身で作ったりもしてきました。そしてこのブリーフとクリエイティブを組み合わせたものを、「クリエイティブ・ブリーフ」と言って、
業界では広告やマーケティング、コミュニケーション設計の領域においてよく使われる言葉です。
そして、これまでいいプロジェクトだったなと思うものを見返してみると、最初のクリエイティブ・ブリーフが良かったものが多かったと思います。
ピンと来ないブリーフ
逆の言い方をすると、イマイチなプロジェクトは、最初のブリーフがピンと来なかったものが多かったように思います。
それによって、クライアントを含めチームの意識が統一されず当初の目的を達成できなかったりしました。
そして、クリエイティブの世界で難しいところは、良い結果で終わったプロジェクトでも、時間が経って見返したら、さらによくできたのではないかと思うこともあります。
私自身も、様々なプロジェクトをやらせてもらいながら、ブリーフの伝え方について悩んだ時期がありました。
出会い
実はそんな時、会社の3期目だったと思いますが、僕がとても尊敬している John C Jay とお話しさせていただく機会がありました。
彼は、元々 Wieden + Kennedy と言う広告代理店でクリエイティブ・ディレクターとして働き、Nikeを代表する様々な企業のクリエイエイティブディレクションを担当し、今は UNIQLOでグローバルクリエイティブ統括として働いています。
私は彼のUNIQLOのプライベートオフィスに招いていただき、この時にこの悩みを相談させてもらった時に、「Briefly」っていうドキュメンタリー映画があるから見てみなよ。
とオススメしてくれたんです。(こんな若造に2時間も時間を割いてくれて本当に感謝です。)
観てみると、目からうろこでした。
映画の中には、現代建築を代表する建築家で、ビルバオ・グッゲンハイム美術館を設計したFrank Gehryや、ハーマンミラーのセイルチェアーをデザインした Yves Béhar 、天才イラストレーター Maira Kalman、そしてUNIQLOのグローバルクリエイティブを統括する John C Jay、オスカー賞のステージをデザインした David Rockwell、そしてサムスンの広告制作や数々の広告賞をとりまくった John Boiler がいます。
彼らの話と考え方が簡潔に纏まっている25分のドキュメンタリーです。
こんな映画は日本のクリエイティブな人々に届けたいと思い、チームに相談して日本語字幕を入れようということになりました。
そして業界でご活躍されている方々をゲストスピーカーに呼んで上映会を開催しました。2回開催したのですが、第一回目のゲストスピーカーは、素晴らしいウェブサイトを制作する、Garden EightのウェブディレクターのNatsukoさん。
第二回目は、洗練されたブランディングを行う Bees & Honey の取締役・ストラテジックプランナーのKentaroさんと、素晴らしい方々に話していただき、多くの方々にお集まりいただきました。
ブリーフで大切にしたいこと
実際の映像は25分ぐらいで手短にまとまっているので是非みていただければと思いますが、手短にこの映画から学んだ、クリエイティブ・ブリーフで大切なことを4つ書きたいと思います。
インスピレーションの源になること
余白を作ること
鋭さと簡潔さ
変わっていくし、変えていくもの
是非映画を見てみてください。
ではまた。
玉田曜一郎
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