情報セキュリティマネジメントと社員の働きがい

「社員の皆さんにとっての働きがいや働きやすさ、社員の皆さんの健康面について、特に配慮されていることはありますか?」

情報マネジメントシステムの構築・運用・改善のための規格ISO27001の再認証審査の冒頭、トップマネジメント・インタビューで2番目に聞かれた質問です。

トップマネジメント・インタビューの最初の質問は、いつでも必ず、
「なぜISO27001の認証取得を考えたのですか?」
ですから、上記の質問は審査員がもっとも関心を持っているテーマであると捉えてもよいでしょう。

社員が働きがいを感じながら仕事に取り組み、職場や上司や仲間との関係において安心・安全感を持って、ストレスなく働くことができる。そうした環境づくりに配慮することが、情報セキュリティマネジメントシステムの観点からも重要なことであるという認識に立つものです。

これまでの維持審査や再認証審査では一度も聞かれたことのなかった質問です。もちろん審査員によって、その時々、マネジメント層に問いかける質問は異なることでしょう。しかし、会社とか職場、経営者と従業者との関係といった点で時代が変わりつつるなと感じた質問でした。

ちなみに、その質問に対して最初に口をついて出てきたコメントは、
「満員電車は愚の骨頂だと考えていますから」
でした。

満員電車は愚の骨頂。毎朝、毎夕、社員の皆さんをそんなことで心身ともに疲弊させるわけにはいかないと、「いつでも、どこでも、いつも通りに仕事ができる環境を整える」ということには、かなり早い段階から取り組んできました。

経営に参画した翌年には、スタンドアロンの端末環境を廃し、シンクライアントサーバーを導入。VPN接続で自宅や社外どこでもオフィスのサーバーにセキュアに接続し、かつ、自宅・社外の端末に情報を残さない。

仕事に必要なアプリケーションはすべてシンクライアントサーバーでライセンス管理していますから、自宅作業のために自費でOfficeアプリケーションを取得する必要もありません。

会議の仕方も、時間はかかりましたが、社内SNSを活用して事前に議題や資料を共有、人が集まって話し合わなければならない時間は最小限にしています。もちろん、Googleハングアウト等でオンライン参加することも可能。また、「満員電車は愚の骨頂」ですから、朝イチに会議の予定を入れることはありません。

健康面では、健康増進に関するさまざまな啓発を行うほか、食材にこだわった健康惣菜の提供、ドライフルーツやナッツなど健康に配慮したおやつの提供などの配慮をしています。

仕事や人間関係でストレスをためこまないよう、匿名のサーベイを行うほか、社長面談、マネジャー面談などを仕組み化。柔軟に組織体制の変更を行うことを常態化するなど、組織内において常に「空気の流れ」を活性化することを心掛けています。

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