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言葉の宝箱 0262【ネットの世界は、しょせん仮想の世界なのだ】


『独立記念日』原田マハ(PHP文芸文庫2012/11/29)

文庫化にあたって『インディペンデンス・デイ』を改題。
 『川向こうの駅まで』『月とパンケーキ』『雪の気配』『真冬の花束』
『ふたりの時計』『転がる石』『いろはに、こんぺいとう』『誕生日の夜』『メッセンジャー』『バーバーみらい』『この地面から』『魔法使いの涙』『名もない星座』『お宿かみわら』『空っぽの時間』『おでき』『缶椿』『ひなたを歩こう』『甘い生活』『幸せの青くもない鳥』『独立記念日』『まぶしい窓』『いつか、鐘を鳴らす日』『川面を渡る風』の24話短篇集。
 
第1話『川向こうの駅まで』から最終話『川面を渡る風』まで
3年の時が流れ、
” 実家から独立して今日までのあいだ、知り合ってつながり合った人々。
その人たちや、その人たちからまたつながっている誰か。
私たちはこうして、ひとりひとりつながっているんだ。
ゆるやかなつながりの中で、はればれと凛々しく独立していくんだ。
それぞれの人生に、潔く向かい合うために。私はもう、ひとりじゃない。
でも、だからこそ、いまこそ独立しよう。ときおり寄り道したり、
つまずいたりしながらも、まっすぐに歩いていくために。
川面を渡る風が、心地よく頬をなでる。
友人たちの、大好きな人のまぶしい笑顔をみつめながら、
心の中で、そっと誓った ” P356と結ばれている。

・ネットの世界の住人は(略)
一方的に話しかけてきて、
ちょっとでもつまらないと思うとすぐにそっぽを向いて、それっきり。
現実には何も起こらない、発展しない。
ネットの世界は、しょせん仮想の世界なのだ P163

 ・どんな物語にも終わりがある。
なぜなら、物語には命があるからだよ(略)
命あるもの、終わりがあるから、いとおしく思えるんじゃないかな P183

・あたたかな人の心にも、消せないシミのようなものがある P239

・贈呈してくださったのは、最新刊。『独立記念日』といタイトルだった。「ひと言で言うと、会社とか家族とか恋愛とか、
現代社会のさまざまなじゅうばくから逃れて
自由になる人々が主人公の短篇集です(略)
この本によれば、『自由になる』っていうことは、
結局『いかに独立するか』ってことなんです。
ややこしい、いろんな悩みや苦しみから」私の胸はときめいた。
自由、になるんじゃない。独立、するんだ(略)
自由になりたいな。でも、自由ってなんだろう?
その答えを求めて、ひさしぶりに今夜、本を開こう(略)
ほんのいっとき、ささやかな「独立」を求めて P311

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