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無知なのは無関心だからだ。スティーブン・フライ

外国の筆者が書いた本は、視野が広くてためになります。だからこそ、日本でも翻訳されることになったのでしょうね。

「子どもは40000万回質問する」(イアン・レズリー著 光文社)もそんな本でした。

好奇心がいかに大事か。しかし、その好奇心は大人になると失われ、質問もしなくなってしまう。具体的な例をもとに書いています。

もっとも、目を見開かされたのは、「たくさん暗記することも、将来の創造に役立つ」ってことでした。何それと思うかも知れませんが、本文にはこうあります。

ウイリアム・シェイクスピアは、サー・ロビンソンをぞっとさせるような学校に通っていた。生徒たちは一〇〇以上におよぶラテン語の修辞技法を反復練習させられ、自分たちの身にはほとんど関係のない、セネカやキケロといった大昔の偉人の作品を読むことを求められた。シェイクスピアがどれほど学校を楽しんでいたかは記録がないのでわからないが、学校が彼の創造力を失わせなかったことを示す証拠は十分にある。シェイクスピアは前人未到の創造性を発揮し、数々の偉大な作品を後世に残しただけではない。シエイクスピア学者のレックス・ギブソンはこう説明している。「シェイクスピアは学校で学んだあらゆることを戯曲のなかで用いている。彼の驚くべき想像力は、暗記や反復練習といった現在では不毛な訓練とみなされている教育のおかげで大きく開花したのである」

194p


たくさんの知識がなければ、同じものをみても感じることはできません。無味乾燥に思える暗記作業のかなたから、大きな成果が生まれるのかもしれません。

本の途中に挿入してあったのが、この人、フライのことばでした。私は知りませんでしたが、英国では著名な作家、コメディアン、司会者なのだそうです。


1957 年 8 月 24 日にロンドンのハムステッドで生まれた彼は、その軽妙な語りで知られています。

学生時代は、精神的な問題でしばしば学業に支障を来しましたが、豊かな才能で脚光を浴びるようになりました。

彼は、膨大な知識と独特のユーモアを組み合わせた英国の代表的クイズ番組「QI」の司会を、数多くの人気番組に登場しました。

フライは多言語を話すことができることでも有名です。

英語はもとより、フランス語、スペイン語、ドイツ語など複数の言語を流暢に話します。彼はドキュメンタリーや旅行番組で、自らの語学力を披露しています。

羨ましいほどの才能ですね。

そんな彼曰く

“The only reason people do not know much is because they do not care to know. They are incurious. Incuriousity is the oddest and most foolish failing there is.”


人が無知な理由はただ一つ、あまり気にかけないからだ。無知とはつまり無関心だ、無関心は何よりも奇妙で、おろかな悪習である。

そりゃ、何も関心をもたなければ、無知のままですよね。

当たり前のことを言っているようですが、身の回りのことに注意し、興味を持つだけで、成長できる。それは大きな努力ではない。だれでも十分できることだよ、ということだと思いますね。

彼の才気あふれる語り口は、本文に埋め込んだyoutubeでどうぞ。



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