将来の選び方。

 今の世の中に影響を与え続けている人には二種類の人間がいるように思う。

即ち、①一つの技術を磨き続けてその道の「達人」として生きる人。あるいは、②目的のためなら手段を選ばず、多分野の知識・経験を統合できる人。

①にはイチロー選手や小澤征爾さんなど、昔ながらの芸術家・職人気質の方々がいる。

一方②は現代人に新しい生き方を提示し続けるタイプの人達で、堀江貴文さん、キンコン西野さんなどが挙げられる。

 今日書きたかったのは②のタイプの人たちのこと。大学生をはじめとした我々若者層の中にも多方面で活躍する「すごい人」はいるのだが、彼らに共通する「すごさ」って何だろうと思ったのが、この記事を書くきっかけだ。

 正確に言うと、カンボジアで起業します!と鼻息荒くしていた僕に冷や水を浴びせ続ける性格の悪い(褒め言葉)友人が北大にいて、彼の札幌の学生に対する危機意識を聞いたのがことの発端である。

 彼の思う危機意識とは、

「やっている仕事の内容やその規模ではなく、それらの活動を行う目的、ひいては人生の目的で人を惹きつけ、影響を与えることのできる人が俺らの先輩にはいた。今、俺たちは札幌の学生に対してそんな素敵な先輩であることが出来ているだろうか。やっていることの派手さ、選択する『手段』の特異さしか語れないヤツしか、今はいない」


要約すると、

「目的」思考を忘れてはいないか、ということだ。

 堀江氏然り、西野氏然り、世の常識を軽々と飛び超えるように見えるのは彼らが目的思考を徹底していて(多分)、そのためならあらゆる手段についてフラットに構えて実行できるからだろう(多分)。

 ものすごく小さな例を出せば、ホットペッパーだけでしか店選びを出来ない人よりも、実際に店に行って店長に会って宴会の細かい要望を交渉できる人の方が、シーンに応じて色々な飲み会をセッティングできる頼れる幹事になれるということだ。

 僕の性格の悪い北大の友人からすれば、僕の「海外」で働くという選択も「目的」に「手段」が先行している結果の選択らしい。

 正直なことを言えば、カンボジアに行くことを決めたときの僕には人生の目的、自分の幸せの定義など見えていなかった。だから、彼のいうことはある意味で正しいのだ。


理由は後付けでもいいから、「目的」を果してみせる。

今はそんな思いでいる。


 やや話が変わるが、ここまでついてきてくれたのなら頑張って最後まで読んでほしい。もうちょっとで終わる。

 僕の友人の一人に「俺がいないと日本の宇宙産業がマジで終わるんだよ」という男がいる。実際優秀な男で、大学では機械工学の中でも宇宙関連の研究室に籍を置き(2018年3月まで)、学外でも宇宙産業関連のイベントを数多く開催しており、多分彼の言葉は全くの大言壮語という訳でもなさそうなのだ。

 彼にとって宇宙が幼少の頃より憧れている特別な場所であるのは間違いないのだが、一方で彼は、

「『宇宙』なんてただの場所の名前だから」

と口癖のように言う。

 人類の抱える課題、解決しなかればならない問題は地上にあり、「宇宙」はその解決策の選択肢の一つでしかない、らしい。

 彼の言葉を聞いて得心した。

 「海外」もただの場所の名前だ。僕の人生の目的はそこに行くことでも、そこで起業することでもない。

 何したって生きていける、そんな根拠のない自信を得る1年になる。

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