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The BATMAN 観た話


冒頭、赤字でスクリーンいっぱいに
『The BATMAN』の文字が浮かんだ
JOKER(2019)では黄色だった。
黄と赤は色相環で言えば隣同士。
赤から黄へ、黄から赤へ。混ざり合うように変化していく。
狂気と正義は似た者同士なのだろう。
そう感じる1作だった。


※以下映画のネタバレになっています。未鑑賞の方はご注意願います。


・今作のブルース・ウェイン


主演のロバートパティンソンは、ハリーポッターのセドリック、そしてトワイライトのエドワードのイメージが強く残っていた。
ガタイの良いイケメン。そんなイメージを抱いてたが、今作。
こんなに薄ら白くて、いや通り越して青くて、頬がコケていて、ジメジメとしていて、セドリックはどこへ行ったんだろう。
でも、ゴッサムの孤児ブルースウェインと思うとこれほどハマる人は他に居ないなと思った。
ノーラン版のブルースは、パーティ、煌びやか、社交的、ハンサムという
セレブリティをこれでもかと見せつけていた。
今作のブルースは、率直に言うと暗い。
とてつもなく暗い、ずっと黒い。日差し(といってもほとんど曇り)の元でサングラスを掛ける引きこもりっぷり。
だが納得した。この荒れ果てたゴッサムで、孤児だったブルースは、きっと根暗だろう。
だからこそ大衆の正義になれる。
悲しみを識っている人は優しくなれる。

今作主演のロバート・パティンソン、イケメンである




・バットマンの成長物語


the batmanは、画面が暗転するというか殆ど黒に近い色のシーンが多い。
バットマンの登場が、殺人ピエロでも出てきそうな演出で恐怖した。
何も無いところから急に現れるのだ。
音楽が更に不気味さを際立たせていて最早ホラー映画と感じたくらい闇に溶けきっている。
「俺が影だ」と仰る坊ちゃんにアルフレッドもその通りですと答えると思う。
ペンギンのクラブでのファルコーネ窮追シーンのエレベータードッキリ登場は作中1番だった。
ペニーワイズもビックリする。
闇から溶け出たように現れて、制裁を降すバットマンはさぞ亡霊や死神のようにみえるだろう。

そして彼は彼自身を「復讐だ」として、悪党に立ち向かう。
恐怖には恐怖を与えて鉄槌を下す、目には目を歯には歯をといったところか。
しかし、彼は命を奪うことは決してしない。優しさ故か、恐怖心からか。
きっと彼はリドラーにそこをつけいられたのだろう。

狂ったセンスの恐怖のパズルゲームをするリドラーと狂ったようにバットモービルで悪を追い詰めるバットマン。
同じ“復讐屋”のバットマンとリドラーの明らかな差は殺人をするか否かだろう。
そこに気付けたバットマンはようやく陽の元に立ち、恐怖で救うものは何も無いと気付けたのだろうと感じた。



・まとめ

クリストファー・ノーラン監督の前作バットマンも3部作だったように、
今回のThe BATMANも3部作の構想らしい。
2年目の新米バットマンが"復讐"という卵の殻を破った栄えある1作目である。
ラストシーンに一瞬出たジョーカー(わたしの推しである)のことや
バットマンになるまでのことが
今後明らかになると思うと楽しみでならない。
ぜひ映画館で見てほしい。


★★★★★



よき

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