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和牛肥育農家について

畜産農家が減っている。
31年の畜産統計によれば、後継者不足で肉牛飼養農家は前年比4%マイナス。朝ドラではないけれど、苦労して土地を開き、牛を育ててきても、次に繋げずに廃業していくのだ。

飼養頭数は、ほぼ横ばいとみせつつ、じわりと減ってマイナス0.4%。じわりと子牛価格はそれに連動して上昇し、一戸あたりの飼養頭数は平成25年の43頭から10頭近くも増えている。とはいえ、北海道を除いては圧倒的に小規模経営体が多い。

このような傾向はいつまで続くのだろう。廃業した生産者の牛はどこに割り当てられているのか。平均値だけではみえてこないし、そもそも牛の所有権を手放し、保有者の預託を受けてリスクオフした状態で肥育する預託スキームについての変移が統計ではわからない。

大規模化は労働集約好ましいことなのだけれど、牛が沢山集まればゲップはするし、糞するし、多くの従業員も必要で、好ましい管理状態を維持する難易度はあがる。土地の制約と、こうした背景もあって、大規模経営体がなかなかでてこないらしい。

市場淘汰にまかせて農家の数が減ることがどこでどこまで許容可能なのか、小規模経営体を束ねて運営するために必要なことはなにか、担い手を増やして親族以外の後継者を育てるために、どのようなことが考えられるのか。マルキンによる補填やさまざまの全体像から、考えられるようになりたいなと思った。

いつも何について考えても、滅びるなら仕方ないのではないか、滅びるものを守りたいというのは感傷ではないか、全体で見て、他の効用をより重視する必要があるのではないかという思いで立ち止まってしまう。

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