二日酔いの清正(きよまさ)危うし その3(全3回)


清正はこれを聞くと大声で言ったんだ。
「臆病者(おくびょうもの)!卑怯千万(ひきょうせんばん)の臆病者だ。お前は一度命を捨てて槍を手にしたのであろう。その時に過去の思いも捨てたはずだ。捨てきれていないとは臆病者のことだ。さぁ、顔を上げてもう一度男になるのだ。」
この言葉を聞くと国右衛門は、おいおいと声を上げて泣きだしたって。国右衛門は地面に両手をつくと、深々と頭を下げたって。清正は喜んで駕籠から降りるとね、
「ここからは、歩いて行く。国右衛門、刀を持て!」
と言ってね、清正は刀を国右衛門に渡したんだよ。国右衛門は、うやうやしくその刀を受け取ったんだ。こうして一日中鷹狩りをしたんだって。

国右衛門はそれからも清正の家来として一生懸命に働いて少しづつ禄(ろく)をもらえるようになっていったんだ。禄とはね、お金のことだよ。お米だったのかもしれないけどね。

そして、残念なことに慶長(けいちょう)の役の蔚山(うるさん)城の戦いで命を落としてしまったと言われているんだよ。

清正はお殿さまになって、たくさんの良い家来が欲しかったんだよね。約束を守って、勇気があって、親切な気持ちを持ち合わせている人を見つけていたんだね。そんな人になりたいね。

最後まで読んでくれて、ありがとう。
おやすみ、ポン!

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