お伽草子(おとぎぞうし)の浦島太郎 その2(全2回)


普通の浦島太郎は、これでおしまいって訳なんだけど、この続きがあったんだよ。

しばらくすると、年老いた浦島太郎は体がフワリと軽くなったんだ。あれ?どうしたかと思えば、腕は羽になって、空を飛んでいるじゃないか。水鏡に姿を映して見れば、鶴になっている。浦島太郎はね、翼を広げて遠くの蓬莱山(ほうらいさん)まで飛んでいったというんだよ。蓬莱山って仙人が住んでいるう霊山(れいざん)さ。神さまが住む山の事さ。

そうして丹後(たんご)の国、いまの京都府に浦島の明神(みょうじん)として戻ってきたんだ。これを知って、竜宮城の乙姫(おとひめ)さまも鶴となってこの明神に現れたんだって。浦島太郎と乙姫さまは二人とも鶴となって仲良く明神さまとなったんだって。ここまでが室町時代に書かれている浦島太郎のお話しなんだって。

でもね、日本中にはあちこちに浦島太郎の伝説を残している所があるんだって。京都府与謝郡(よさぐん)の宇良(うら)神社(浦島神社)。神奈川県横浜市の浦島の足洗い井戸と腰掛け石。長野県木曽郡の寝覚ノ床(ねざめのとこ)なんかが有名な所なんだって。浦島太郎に似た人たちが、あちこちにいたのかもしれないね。

おしまい、最後まで読んでくれてありがとう。お休み、ポン!

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