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「良質なフィードバック」を目指して、行動してみた話。

前回アタマで理解したことを、実行に移してみました。

こんにちは。
理学療法士19年目のyokoです。

これは、患者さんと理学療法士(PT)の「より良い20分」を創るために、あれこれ考えるブログです。

前回、質の良いフィードバックのために必要なのは、日頃の会話でリアルな本音の目標を吸い上げておくことではないか、と結論づけました。


ならば、早速、実行です!
行動してみないと、結論が正しかったかどうかなんて分かりません。
今まで教育に失敗しまくった、しくじり・yoko!
今日は前回の話を受けて、体当たりした結果を書きたいと思います。


早速、後輩と1on1! 率直な感想。


週末、患者さんの少ないタイミングや昼休みを狙って、余裕のありそうな後輩を見つけては、1対1で話してみました。
1人あたり3−5分程度で、1日全部で5名くらいでしょうか。

率直な感想。
めっちゃエネルギーを使う・・・!!

19年目の先輩が、急に「キミの本音の目標、聞かせてよ★」なんて言っても、2−3年目の子が正直に答えてくれるわけないじゃないですか。笑
せいぜい、キレイな当たり障りのない目標伝えて終わりです。
私の本来の目的は、それぞれの後輩にあったフィードバックの仕方を模索すること。だったら、その子の本音が垣間見えなければ意味がないわけです。

だから、
その子が普段どんな生活をしているのか?
今、何に興味があるのか?
今、どんな勉強をしているのか?
今、どんな業務を抱えていて、進歩状況はどうなのか?
そのモチベーションは?(楽しんで進めているか?イヤイヤやってるのか?)

などを、後輩それぞれの様子に合わせて聞いていきました。

初めは「目標を聞く。吸い上げる。」つもりでいましたが、話していくうちに「後輩達の世界を少しだけ見せてもらう」感覚の方がしっくりくる気がしてきました。

当たり前ですが、そこは彼らのフィールドであり、彼らの価値観や判断のもとに作られている。
自分とは全く違う世界に飛び込むわけですから、そりゃエネルギー使いますよね。
感じたのは、いかに今まで後輩のことを知らなかったか。
いかに表面的な会話しかしてこなかったのか
、ということです。

初めてキチンと聞いた、後輩の思い


とある後輩のCくん。
臨床中、時折心ここにあらずな目をしている所が気になっていました。
有志で高校サッカーチームの帯同を始めて3ヶ月くらいであり、休み時間は大体ヨーロッパサッカーの中継を見ている様子。
休み時間なので、特に何も言わなかったのですが、「今、職場で見なくてもいいんじゃないかなー・・・」と内心思っていました。

そんなC君とは、こんな会話をしました。
yoko: Cはサッカーが好きだね。いつもサッカーのどこをみてるの?
選手の動き?フォーメーション?
C 君:前は動きばっかり見てましたけど、帯同行くようになって見る目が変わったんですよね。
yoko :へー!どんな風に?
C 君:監督の大事さがすごく分かるようになりました。
ボールがないところでも、選手はすごいポジション争いをしてるんです。
サッカーでの守りって大体縦か横に動くんですけど、たまに斜めの動きとかがめちゃくちゃ上手い選手がいるんです。
そういう子は、いてくれるとすごい助かる反面、運動負荷が強いから、怪我しないでくれって思いますね。
怪我した時は監督に、どんな状態か、回復にどのくらいかかるかを自分が伝えなきゃいけないんで、何気にプレッシャーです。
yoko: Cがその辺を管理してるんだね。結構、責任感じるね。
C:そうですね。先月は選手権があったので、結構大変でした。故障してる選手とグループラインを組んでるんですけど、帯同無い日はその対応したりしてて・・・。
その後5分くらい会話が続きました。

後輩の話から得られたyokoのフィードバック指針

私はワールドカップの直前(ちょうど今頃から)にサッカーファンになるような人間なので、サッカー自体は全然詳しくありません。
C君、すまん。。

それでも、彼の生活が今はサッカーの帯同を中心に回っていること、今ある知識を選手の病態理解や監督とのコミュニケーションに活かそうとしていることは理解できました。

そして、臨床中の疲れている様子を見せるのは、仕事以外に気にしなくてはならない問題が別にあったからだということも。

この状態で、「臨床中、シャキッとせいっ!」と一喝したところで、彼の心には何も届かない。
彼に何かをフィードバックするなら、サッカー帯同や監督との会話に結びつくことに帰結させていく必要がある。
そう理解しました。

今まで上手くいかなかった理由を考える。そして、これから!


リアルな本音の目標は、面と向かって言われないので、面談で「君の目標は?」と聞くよりもずっと労力と時間がかかります。
しかも、それは日々変わっていく。
来週には違う目標ができているのかもしれない。
「目標共有」と一言で言っても、実際は簡単ではないんですね。

今までの私の教育は、自分が頑張っている割に、気づけば後輩の心が離れていってしまうという失敗が多くありました。
直属の後輩が、別の同僚のところに相談に行っていたり、相談せずに仕事を抱え込んでいて大きなミスが起きてしまったり。。

今回の経験を経て、私はこれまで後輩を自分の価値観にはめるような教育ばかりしていたのだと気づきました。
その方が簡単だから。時間もかからないから。
そして、上手くいかない理由を後輩のせいにできてしまうから。
だから後輩は私に本音が言えなかったんです。

列挙すると、ほんと最悪だぁ・・・
そりゃ、うまくいかないわけですね(T_T)

日々変わっていく、目の前のリアルな目標。
時間はかかるし、成功の保証もないけれど、それを汲み取っていく過程には、以前では感じたことのない手応えがありました。

まだまだ自分の正解に辿りついているとは思えませんが、これからも模索を続けたいと思います。

とはいえ、エネルギー切れしないように、1日3人くらいかな^^;

それでは!明日も臨床楽しみましょう!

謝辞
フィードバックについて考えるきっかけを下さった、山田真伸さんに感謝いたします。
山田さんの音声配信はこちら↓

https://note.com/be_a_smile_masa/n/n1bcbc6dd259f?from=notice

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