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職場での技術練習会は、やっぱり大事!!

職場での技術練習会で得られるものは、技術だけではない。

こんにちは。
理学療法士19年目のyokoです。

これは、患者さんと理学療法士(PT)の「より良い20分」を創るために、あれこれ考えるブログです。

後輩の技術練習会に飛び入り参加してみた

先日、後輩が技術練習会をしているところに、飛び入りで参加してきました。
技術練習会といっても、「ザ・勉強会」ではなく、3人くらいで朝就業前に集まって手技の練習をしている感じでした。
練習しているところを、たまたま私が通りがかったので、「ちょっとやらせて〜」みたいなノリで、飛び入り参加したのです。

ちょっと専門的ですが、彼らがやっていたのは固有受容性神経筋促通法(英語の頭文字を取ってPNFと呼びます)のパターンの練習です。(知らない方は読み飛ばしてOKです。ここはメインの話ではないので・・・要は、多数あるPT技術のうちの一つなのね、とわかっていただければ大丈夫です。)

ご参考までに、PNFにおけるパターンの一例です。
松田先生のパターンは本当にきれい。↓↓

https://www.youtube.com/watch?v=zJHNVJFnqvU

私も2年目の時にPNFのコースに行って、真ん中のレベルくらいまで行きました。
中堅以降は、触察を中心に勉強したこともあり、少しコースからは遠ざかっていましたが、PNFの基本理念は本当に素晴らしく、今の自分の臨床を形作ったもののうちの一つです。

いいところを見つけて治療しよう、という私の考えは、まさにここから培われたものです。


後輩たちは今後、より上のコースに行って技術を磨こうとしているメンバーだったので、言ってみれば、私よりずっと技術的には上なわけです。

そこで、10年以上ぶりに19年目のオバチャンがパターンを披露する。笑
もうね、ズタズタですよ。
全然体が動かない!笑

でも、すごく楽しかったんです。

yoko:「ほっ!」(パターンをやるときの声)
後輩:「yokoさん、もっと筋肉伸ばしてからやらなきゃダメです。」
y:「あ、そうだったね。これ?」(後輩の指摘に従って、筋肉を伸ばしてみる)
後輩:「あ、それです!さっきより伸びてます。」
yoko:「よしゃ!そのままパターンやっていい?ふおぉぉぉぉっ!」
後輩:「お、だいぶいいっすね。でも、ちょっと力が強すぎですね。(笑)ここはもう少し・・・」

こんな感じで、後輩と5分くらい練習し、その後は業務準備に入りました。

たった数分でしたが、「PT同士で技術の練習をするってやっぱりいいな」という実感と、心地よい疲労感が残りました。

久しぶりに練習会に参加したことで、改めて感じたこと

13年目で子供を授かり、朝急いで出勤して制服に着替えて、業務に入る。そして時間になったらすぐにお迎えに走る!そんな生活をずっと続けていたので、なかなか職場のスタッフと技術を練習しあう、という時間がとれませんでした。

自分がインストラクターを務める研究会では、産後も研鑽を続けていましたが、職場スタッフが行っている練習会には「途中から上が急に参加してもなぁ。お邪魔かな。。」と遠慮して見守るだけになっていました。

今回は普段から何かとコミニュケーションをとっているスタッフの練習会だったので、比較的入りやすかったのです。

久しぶりに後輩達とワイワイ練習できたことで、改めて感じたことがあります。

今まで意識してませんでしたが、こういったフランクな技術練習会で得られるのは技術だけではないということです。

治療技術の向上という、終わりのない高みを、みんなでアレコレ言いながら目指す。
そこでは、みんながスッポンポンです。(あ、心の問題ですよ。決してリアルじゃないですよ。)
経験年数のある人、ない人。
ふだん練習している人、しない人。
自信がある人、ない人。
同じ職場で患者さんを見ている者同士、悲しいくらい実力が分かってしまいます。
知識を伝えるだけとは、全く違う次元の勉強会です。

当然上が下より出来ないことだってある。
家庭や管理の仕事で時間が取られている以上、全てを治療技術にかけることができるわけではないし、それは仕方のないことです。
時間はどの人にも24時間しか与えられていないのですから。

後輩に先輩が教えてもらうのは、全然問題ない。大事なのは、そのあと!


私が大事だと思ったのは、経験年数が上になればなるほど、先陣切ってスッポンポンにならなきゃいけないということです。(しつこいようですが心の話です。)
 
出来ないことは出来ない、わからないことは分からない。
でも、まだ学びたい。
患者さんをよくしたい!
 
自分に素直になって、後輩の中に飛び込んでいけば、後輩は必ず親身に教えてくれます。
あくまで主体は後輩なのだから、マウントを取ったりせず、ひたすら指導を受け入れながら練習する。

そして、ここで上がやらなければならない仕事がもう一つあります。
なるべくその技術を普段の治療で使うことです。
できればその後輩が見ている前で。
そして、チラっとその後輩の治療中に目を合わせる。
「この患者さんで、アレやってるよ」と伝えるためです。
 
後輩たちは勉強はしていますが、それを治療に転化するまでの思考に課題を抱えています。
 
技術は十分でなくとも、経験年数を積み重ねると、この患者さんであれが使えるな、と言う思考やひらめきは浮かびやすいと思います。
それを治療で見せる。
その後、それを適応した過程を後輩に伝えるのです。結果が良くても、悪くても。
 
実際、私も練習したパターンを、その日の肩腱板損傷の患者様に適応しました。
経過の長い方で、筋力に問題を抱えており、いわゆるチューブ練習をしていてもなかなか改善しないことが課題でしたが、パターンを行ったことで
「ここ(棘下筋:腕を上げるときに使ってほしい筋肉)を使う感じが分かった!」
といってもらえました。
 
それを昼休みに後輩に伝えると
「いやー、効きますねーPNF。僕もやってみます」
「こういうやり方もありますよ」と会話が広がりました。

技術練習は、PT教育の突破口


後輩たちの自主性を促したい。
コミュニケーションをとれるようになってほしい。
そんなPT教育の課題を解決するために、技術練習会は確実な突破口だな、と改めて感じました。
 
スタッフの中には、時間的には余裕があるのに、そういった練習会にあまり参加しない子もいます。
私の予測に過ぎませんが、そういったスタッフはプライドが邪魔してスッポンポンになるのが怖いのかもしれません。
自分ができないことを、周りも、そして自分自身も分かってしまうから。
 
そういう子に無理に「プライド捨てろ!練習会に参加しろ!」と持ちかけることはあまり言いたくありません。
今まで以上にプライドの鎧を分厚くして、コミュニケーション自体を拒んでしまうかもしれないから。
 
私は職場のスタッフの底上げを図る立場にいます。
今回の経験を通して、これからは先陣切って自分がスッポンポンになり、「私も未熟だから、一緒に勉強させてー!」と、いろいろな技術練習の場に乗り込む姿勢を見せよう、と改めて思いました。

普段、技術練習から距離を置いているスタッフが、
「自分よりずっとの経験年数を持っているyokoさんも出来ないんだから、自分も出来なくて当たり前なんだ。学び続けることが大事なんだ。」と思ってくれるなら、私の薄っぺらいプライドなんて安いもんです。
 
さ、明日も頑張れるように、今日は家族の先陣切ってお風呂に入ろう〜。
それでは、また!
 
 

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