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逃避できる空間が、生活に溶け込んでいました

ベトナム・ハノイの夏はとても暑い。外に出ると日差しがヒリヒリジリジリと、私の肌を焼いてくる。そして湿気。私の汗なのか空気中に含まれる水分なのか。10分外を歩けば判別不可能になる。加えてスコールよ。バケツの水をひっくり返したような雨という表現をよく聞くけれど、あれよりすごいやつ。雷神さんが大失恋をしたんだろうと思うくらいの、雷をともなった大雨がしょっちゅう降る。

という気候の特徴からか、はたまたフランス統治時代の流れなのか。コンビニがほぼないハノイでは、日本のコンビニレベル(以上)でカフェがある。


3階建ての、異空間

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ハノイ観光のメッカである大聖堂からバイクで30分ほどかかる場所に、私のお気に入りのカフェ『The Home Coffee』がある。私が郊外のカフェが好きな理由は、観光客がおらず、地元の人が心からくつろぐ様子を見られるから。

『The Home Coffee』3階建て一軒家のカフェ。ハノイのカフェはすごい。っていうのが、一軒家まるまるカフェの店がとても多い。この建物はカフェ以外の何者でもないのだ! というオーナーの意気込み? もしくはそれほどまでにカフェという存在が、ベトナムでは大きいのかしら。

いつもどの席に着くか迷う。階ごとに趣向が違うことが多くて、ひとつのカフェなのにパラレルワールドが広がっている。

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窓辺の明るい席。やさしい光とともに読書をして、それからうとうとするのによさそう。

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緑がたくさんあって、本を自由に読める(う、ベトナム語なのが残念)席。備え付けの棚には、アンティークな小物が置いてある。

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靴を脱いでフローリングの床に直座りする席もある。静かに作業する人が多かった。足を伸ばして座るのは気持ちいい。

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テラス席はレンガでできている。きっと古い建物をリノベしたカフェなんでしょう。ところどころレンガがはずれていて、でもその間抜けさが愛おしい。日が落ちて、夕暮れの優しい風が吹いたら、ここでコーヒーを飲むと良さそう。


ピカピカに磨かれた、古いからこそ美しい机

ぐるぐるとカフェを巡ってついに決めた席は、大きな机がある席。ラッキーなことに人が少なくて、独り占めできた。そこでローズティーを注文した。

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ピカピカに磨かれた机の上で、ツンっとおすまし顔のティーポット。日差しの入り具合とか、植物の立つ間隔が全て完璧で。ごちゃごちゃとした現実世界から逃避。

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バターとお砂糖の甘くて濃厚な香りがする、フィナンシェと一緒にお茶を楽しむ。せっかくゆっくりと、現実世界から逃避しているこの時間。何か有意義なことを考えなくちゃ、なんて思うのだけど。まぁ、無理なお話だもんで。

ローズティーはフィナンシェつきで50,000ベトナムドン(約250円)。値段もステキすぎる、涙。



日本いるとコンビニ行く時って、コンビニに行くぞ! と意識なんてこれっぽっちもしない。ベトナム人にとってのカフェも同じ感じなのね、きっと。生活の中に当たり前に、逃避する空間が溶け込んでいる。

羨ましくて、涙ぐむ。


<お店の情報>
The Home Coffee
住所:75 Lê Hồng Phong, Hà Cầu, Hà Đông, Hà Nội
営業時間:9時30分~22時00分
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