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親になったら、一度はやってみたいこと 〜リベンジ〜

遂に、その時がきた。

長男のリベンジを果たす時が
静かにやってきたのである。


〝親のロマン〟という名の
息子に胎内記憶について聞く任務を果たすべく、
今度こそは失敗しないように
お風呂に浸かっても
羊水の話は一切せず、
〝お腹の中ってこうなってるらしいよ!〟
みたいな情報漏洩は一切せず。

前回の長男の時には
理想の胎内記憶を言わせるための
情報操作をしてしまった感が否めない。

でも、やってみて思った。

理想通りでも、
理想通りじゃなくても、
情報操作しちゃダメ、絶対。

やっぱりズルして良いことないよね。
ほんとママ、反省だよ。

「ママのお腹の中覚えてる?」
「そんなの知らねぇ!ウンコ!」

って言われても、
それはそれで思い出だもんね。

どんな答えでも、
きっとプライスレスだよね。

そんな訳で、
次男に胎内記憶を聞く時を
虎視眈々と狙ってきた。


前回の記事で書いたように、
少し前に、私は3人目の子どもを授かった。

次男は私のお腹をナデナデしながら
「あかちゃーん!」
と呼びかけている。

これは絶好のチャンス!

と思ったその時。

「ぼくねぇ、赤ちゃんのとき、
ママのおなかにいたよ!」

次男が私のお腹を撫でながら
懐かしそうに言うではないか!

「え?!
次男くん、ママのお腹の中にいたの
覚えてるの?」

「うん!」

ひぇぇぇぇぇぇぇぇ!
なんか覚えてるっぽい!
マジ?!
しかも自分から言ってきたー!
「そんなの知らねぇ!ウンコ!」の、
最悪パターンはとりあえず回避したけど、
胎内記憶ってどんな記憶なの?!
自分の胎内記憶ゼロの親不孝なママに
一刻も早く教えてっ!

親のロマン達成目前に、
脳汁ドバドバの興奮状態を何とか抑えながら
次男ににじり寄る私。


「ママのお腹の中、どうだった?」


…ゴクリ


「えっとねぇ
おちゅゆがいっぱいあったの」

「うんうん」

「ぼくねぇ、
おちゅゆゴクゴクのんでたよ」

ゴクゴクと言いながら、
口の前で手をくちばしのように
パタパタさせながら説明してくれた。

「へぇー!おつゆ飲んでたの?」

「そう!」

「あとは何してた?」

「おちゅゆで
バチャバチャってあそんだよ!」

今度は、手足をバタバタ。

「おぉー…そうなんだ」

〝おつゆ〟というのは
恐らく羊水のことっぽい。

ゴクゴクしたり、
バチャバチャしたり…



って、めっちゃ胎内記憶やないかーーーい!

凄いやないかーーーい!!

想像以上なんですけどーーー!!!


なんかもう泣きそう。
覚えててくれてありがと。


すぐさま旦那を召喚し、
同じ話を聞かせる。

何度聞いてもいいねぇ。

ゴクゴクとか、
バチャバチャの動きもいいねぇ。

旦那は「おぉー!」とか
「よく覚えてるね!」とか相槌をうっていたが
最後に1番気になっていたことを尋ねた。


「次男くん、
お腹の中でパパの声聞こえてた?」


毎晩毎晩、私の腹に向かって
「おーい!元気かなー?
早く会いたいよー!」と、
優しい声で話しかけていた旦那。

私よりも数100倍母性溢れる自分の行為が
どうか無駄であって欲しくない!
と、ついつい願ってしまうのだろう。

うん、気持ちは分かるよ。
痛いほど分かるよ。

旦那と私は
吸い込まれるように
次男を見つめる。

すると、旦那の目を真っ直ぐ見て
コクリと頷く次男。


「聞こえてたよ!」


その途端、
表情ががクチャっと崩れ
おふざけモードの顔になる次男。


「パパがねぇ、
〝うんこぶりぶりぃ〜!〟って言ってた⭐︎」


…そうだね。
多分言ってたね、パパ。
パパの口癖だからね。
長男にふざけて言ってるのを
お腹の中で、聞いてたのかもね。
ドンマイ。パパ。

〝それじゃないんだけど…〟という
なんとも言えない表情で
固まる旦那。

母性溢れる旦那の行為は
次男の胎内記憶には無かった。

いや、でもまぁ
次男の胎内記憶には無かったけど
私たちの記憶にはあるからいいんだよ。
プライスレス!
そしてマジでドンマイ!

日頃からふざけてっからそーなるんだよ!
ただの自業自得だから!!と
ゲラゲラ笑って言ってやろうかと思ったけど、
さすがにシュンとした旦那を見たら
傷口に塩を塗るのはやめようと
今回ばかりは思いとどまった。


それから数日経って、

「ねぇねぇ、ママのお腹の中、
どうだったんだっけ?」

何度でも言わせたい私。

いいねぇ。
何度聞いてもいいねぇ。

もう目を閉じて
ずっと聞いてたいわ。
癒しと言えばホワイトノイズより
息子の胎内記憶だわ。
はぁ。最高。



それから更に数日経って、

「ねぇねぇママのお腹の中…」

「おぼえてないっ!」

「え?!」


「おぼえてないっ⭐︎」


しつこく聞きすぎて
ついに次男が相手をしてくれなくなった。

そうだよね。
欲をかきすぎたわ。
反省。
だって嬉しすぎてついつい。

こうして、
次男の有難い胎内記憶についての話は
私のしつこさのせいで
打ち切りとなった。

私も自業自得。
しつこすぎ、良くない。

でも、今回は
完全に親のロマン達成!!!

ちなみに欲深き私は
もし3人目が産まれたら
またチャンスがあるかもしれないと
既に今からワクワクしている。

・お腹の中の情報漏洩はしない
・しつこく聞きすぎない

を反省として挙げ、
次のチャンスがあれば
またトライしてみようと思う。

ひとまず、

〜次男の最高の胎内記憶
 時々、うんこぶりぶりぃ〜!編 fin.〜

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