見出し画像

006フリーライター木内アキさん"横須賀へ移住した人の視点"<横須賀の人インタビュー>

こんにちは!
KAKEHASHI広報の石田です。

今回は横須賀に移住してきた、フリーライターの木内アキさんにお話しを伺いました。

私が木内さんを知ったきっかけはnoteです。

横須賀に対する考察と一緒に「もっとこうしたら…。」という意見も込められた軸のある文章表現が印象的でした。

何よりも「この方は横須賀が好きなのでは?」と直感で感じ取り、「ぜひお話ししたいです!」とご連絡し、お会いすることが叶いました!

ご挨拶した直後「面白そうだったので来ました!」とお話しをしてくださり、第一印象通りの自由で好奇心に溢れるとても魅力的な方でした!

移住されてきた方が横須賀を見つめる客観的な視点は刺激的でしたし、移住先に横須賀を選んだ理由には気がつかされることもありました。

「ヨソモノヨコスカ」を名乗る人


木内さんを知るきっかけになったnote。


ヨソモノヨコスカ…?

口に出したくなるネーミングセンス!
私はすぐに興味を惹かれました。

それだけではなく、木内さんの書く文章はとても読み応えがあり、横須賀と周囲の街それぞれの特色を冷静に見ていいて、愛のある毒舌とユーモア溢れる内容が私は好きでした。

“横須賀市の自己肯定感”

こちらは、私が特に共感した木内さんのnoteです。

横須賀西部が「南葉山」と呼ばれていることについてモヤっとした木内さん。

葉山にいくら近かろうとも、そもそも「街の持ち味」がまったく違うんじゃないかな、というのがヨソモノの率直な感想です。 

酒場カルチャーが発展してたり、外国人と高齢者がローカルとして共存してたり、横須賀にしかないお土地柄の魅力はちゃんとある。

 横須賀が、逗子・葉山に憧れるべきポイントは高級感じゃなく、我が街が好きだ!我が街に住みなよ!と胸を張れる健やかな自己肯定感を持ってるところなのかもしれない。

木内さんnote #05より

共感した理由は「自己肯定感」というキーワード。

私自身「横須賀には何もないじゃん。」という言葉を地元の人からよく耳にするからです。

木内さんが書く「横須賀に足りないのは自己肯定感かも」という内容とリンクしました。

「何もないじゃん。」に対して、私は「きっと知らないだけだよ。」と返します。私は地元の横須賀が好きで、住んでいる人がそのような発言をすることは少し寂しいと思うからです。

そんな風に真っ直ぐに言うことができるのは、横須賀を離れた時間があったからかもしれません。

他の街にはない雰囲気やお店。
大好きな海の匂いがする街。
住んでいる人が穏やかな街。
たくさんの可能性がある街。

横須賀が持つこの土地ならではの魅力に、離れたからこそ気が付くことができました。だから「何もない。」に敏感に反応をしてしまうのでしょう。

ヨソモノと名乗る木内さん視点の「横須賀の自己肯定感」と、私が思うこの感情はまた違うものかもしれません。

ただ、私が抱いていたモヤっと感を言葉にしてくれていたのが木内さんのこのnoteだったのです。

“街の金太郎アメ化”

どこの駅に降りても金太郎アメみたいに(死語かも)似たような店がずらずら~っと並んでるのがつまらない。

彼らは悪じゃないし、便利だからいいんですけどどこにもある店ばかりになっては、街の雰囲気っていうものが消えてしまう。
 
やっぱりね、雰囲気のない街を愛せ、って言われても難しいんです。
 
東京から友人が遊びに来てくれて、何度か飲みに行ってるんですが、横須賀中央の駅前とかすごく喜んでくれる。

というのはきっと、多少の金太郎アメ感はやむなしとしつつも、横須賀らしさがちゃんと残ってるから。

木内さんnote #03より

木内さんが表現した、街の「金太郎アメ化」

この表現にも私は共感をしました。

住む人は便利になることを求めていますが、(もちろん私もです。)もし全国展開のチェーン店ばかりになってしまったら?
 
横須賀の個性と文化は薄らいでしまうかもしれません。

横須賀で1番大きな駅「横須賀中央」には、商店街やショッピングモールがあり学生や家族連れで賑わっています。

街の真ん中にある百貨店のさいか屋・路地裏の居酒屋や喫茶店。
 
アーケードが特徴的な三笠通り商店街には、婦人服店・八百屋さん・化粧品店などが並んでいます。
 
この街並み、私が幼い頃(20年ほど前)からほとんど変わっていません。

だからこそ社会人になり帰省すると、自然とホッとできる場所になっていたのです。

昭和と平成が入り混じった横須賀ならではの雰囲気が残り続ける街。

木内さんのnoteを見たことで、この雰囲気こそが横須賀らしさであり価値あるものなのだと再認識することができました。

昔の街並みが少し変わり、より便利になった場所も横須賀にはあります。

2020年にオープンした「横須賀コースカベイサイドストアーズ」
 
私が幼い頃はダイエーでした。

現在では、無印良品やアスレチック施設など、新しいお店がたくさん入っていてなんだかワクワクします。

そんな風に便利になりつつも、店舗の大きな窓から見ることができる海と軍艦の景色は昔と変わらず残っています。

昔と今の絶妙なバランスが上手に整っていて、よく利用していた私にも安心感を与えてくれる場所です。

便利さとこの街らしさが共存している横須賀。
他の街にはない、価値ある光景はとても魅力的です。

ヨソモノとして横須賀に移住

なぜ木内さんは、横須賀へ移住されてきたのか。
これは、私が1番聞きたかったことでした。
 
その理由は、2つあったと話してくださいました。

“小さな平屋との出会い”

-移住されたきっかけはなんですか?
夫は東京生まれ東京育ちなのですが、前から「一度東京を出て暮らすことをしてみたい。」という希望を持っていました。

-旦那さん発信だったんですね。
ただ、私はあまり地方に行くと、東京でのライターの仕事がしにくいと思って。
 
たとえば「三浦半島のような京急沿線であれば東京へも電車で行きやすいのではないか?」などどのくらいまでの距離だったら仕事と両立が可能か考えることから始めました。
 
最初から横須賀を候補にいれていたわけではなく、相模原や房総方面も視野に入れながら実際に物件を見て、どんな家でどういう形のライフスタイルが描けるか考えながら場所を絞って行った形です。

三浦や浦賀も見に来ましたよ。
 
でも実際に訪問てみると、海があまりに近すぎたり、物件が都会的すぎて都心に住むのとライフスタイルが変わらないように思えてしまったり、悩みました。

-今は衣笠山の近くに住んでいるそうですが、そこに決定したのはなぜですか?
平屋に住みたい、という憧れがあり、不動産サイトで夫も私もセレクトしていた平屋物件が衣笠山近くにあったんです。で、実際に行ったら第一印象が良くて!
 
床の間がある和室は6畳と8畳がひと続きに使える空間で、すごく日当たりが良い南向きです。
 
昔の家なので、桜の木が使われた梁天井がいい飴色に変わっていて、それを見たときこの家で生活している様子が想像できました。
 
「ここに住みたい!」と思うお家だったんです。
 
大家さんは「若い夫婦が住んでくれるなんて!」と喜んでくれたのですが、私たちの年齢で「若い」と言われることに、街の高齢化の現状が垣間見えた気もしました。
 
住んでみて気に入っているのは衣笠商店街。野菜を八百屋さんで買うのも楽しいですし、歩いているだけでなんだか心がホッとする、それが良くて。

“多様性がある街 横須賀”

-木内さんが移住当初に感じた横須賀の魅力は?
横須賀に住もうと決めたきっかけがもう1つあります。
 
いい家が見つかったとはいえ、当時の私はタクシーで移動する15分でも惜しんで仕事をしているような人間だったので、都心までドアトゥードアで2時間弱かかる場所に住むのは勇気がいることでもありました。
 
でも、不安だった私の背中を押してくれたのが街の風景でした。
 
内見後、大家さんに「週に数回東京へ出るのですが。」と相談をしたんです。
 
すると「衣笠駅が最寄りですが、バスで横須賀中央駅に出て、そこから電車に乗るほうが早いかもしれないですよ。」と教えてくださったんです。
 
そこで横須賀中央駅に行ってみたら、「大きい街じゃん!」と。そのときに見た街の景色がすごく気に入ったんです。

地元の高齢者や若者たちに交じって、観光客ではなく住んでいるローカルな感じの外国人がいる。

それも欧米系やアジア系が入り混じるように、みんな普通に駅前で買い物をしています。

なおかつそこに白い制服を着た若い防衛大学校生もいる。

そういう風景にすごく、横須賀にしかないオリジナリティを感じたんですよ。

-意識したことがなかったです…!
この風景から、私は多様性を感じたんです。
 
横須賀は海も山もあり、街も畑もあり、いろんなルーツを持つ人もいて、企業のほかに米軍も自衛隊もいるなど、「住宅街」「都会」のように分類されない多様性がある環境だと思って、すごくそこが面白いと思いました。

独自の混ざり合いがすごく面白いと思います。

-横須賀に住むことが面白いと感じた、と。
そうですね。私は旅も好きなので、その街ならではの風景があるのは魅力です。
 
あと交通の便がいいのはシンプルに良かったですよね。横須賀中央~品川まで50分くらいで行けますし、駅に行くためのバスの本数も多いのでそんなに不便を感じていません。

-普段は都内に住み週末には地元横須賀に頻繁に帰る私もアクセスの良さには同感です!

今回木内さんとはゆっくりお話ができ、そのすべては書ききれませんでしたが、今後活動していく上での必要な刺激をたくさん吸収できた時間でした。

KAKEHASHIとしての発信

プロのライターとして執筆活動をしている木内さんから「発信する内容に責任を持つこと」を学ばせていただきました。

お話しをしていく中で、木内さんご自身もそのことをとても大切されているのだと感じました。

KAKEHASHIは、市役所職員と民間企業職員で成り立っているからこそ、無責任な言動になりかねない情報や意見の伝え方に注意を払う必要があること。

そのことを改めて自覚ができました。

今後も「熱い想いを持つ人の架け橋となる」KAKEHASHIの軸を持った発信をしてゆきたいと思います。

  木内さん、ありがとうございました!

 

<とても個人的、感想。> 

木内さんはプロのライターさんであり、インタビュー記事を専門に書かれている方でもあります。

 聞く側として今回とても緊張をしました…。 

しかし、実際にお話しを聞いてみるととっても自然体な方で、その安心感からか3時間弱もお話しをしてしまっていました…。 私は好きなことを聞いて話して、途中から緊張すら忘れていたようです。 

木内さんからも「貴重な楽しいお時間でした。」と言っていただけ嬉しかったのですが、今思うとあの雰囲気作りはライターさんの手腕だったのではないかと感じています…!

今後このような場面では、しっかりと時間を決めて、時間を忘れないようにしようと自分の課題も見えました…。

木内アキさんのプロフィール


木内アキ フリーライター

「もの書き、もの作り事務所 take root.」

「人」への関心を原動力に
著名人から一般の方まで、のべ1500人以上を取材。

書籍・雑誌・ウェブなど各種媒体の企画・執筆や
執筆分野に関わるワークショップの開催も行っている。

2018年に横須賀市に拠点を移して活動中。

木内さんは旦那様と共にアトリエも開かれています。
製作されている雑貨は、カラフルでおしゃれな柄でとても可愛いです。
 
定期的にイベントへの出展もされています。

今度ぜひイベントへお邪魔したいです!