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「『家族の幸せ』の経済学|データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実」

「『家族の幸せ』の経済学|データでわかった結婚、出産、子育ての真実」を読みました。

結婚、出産についてのややおせっかいなアドバイスは本当に無視していいのか?結婚、出産、子育てにまつわる様々な科学的研究を紹介するこの本は2019年に経済学者によって出版されています。

(一応)リケジョ、働く母、育休後アドバイザーとして気になっていた分野でもあり、読んでみることにしました。

経済学で「家族の幸せ」により近づく

  • 帝王切開なんてほんとのお産じゃない

  • 赤ちゃんには母乳が一番

  • 子供が3歳になるまではお母さんが子育てすべき

こうした内容は、よく言われるものの私自身は深く考えることもなく無視してきましたが、これから妊娠、出産を迎える人へアドバイスするには「合理性」くらいしか思い浮かばず「合理性」や「科学的根拠」は「家族の幸せ」とかけ離れているのでは?と考えていました。

この本には、下記のように書かれていました。

経済学は、人々がなぜどのように意思決定をし、行動に移すのかについて考える学問ですから、そこで得られた知識を活かすことで、家族の幸せにより近づくことができるのです。

『家族の幸せ』の経済学|データでわかった結婚、出産、子育ての真実

経済学は、ビジネスの成功だけでなく家族の幸せにより近づくために活用していいんだ!とはっとさせられました。

やはり何事も科学的根拠を持って、その人や家族の幸せのために知識や経験を活かしていこうと気持ちを改められました。

「ちょうどいい」育休期間

どのくらいの育休期間が「ちょうどいい」のでしょうか?(ここでは、女性の育休期間と言う前提で書いています。)

この本では、育休期間は1年がベストであり、加えて正社員を辞めてはいけないとアドバイスがあります。

また、下記のような昔話も書かれていました。

2013年に、安倍首相が育児休業期間を1年から3年に延長することを提案しました。待機児童が中々減らない中で、ワークライフバランスを保ち、女性の社会進出と出生率上昇を両立させたいという動機から出てきたのでしょう。

『家族の幸せ』の経済学|データでわかった結婚、出産、子育ての真実

「育休期間は、長い方がよいのか?」という問いに対する答えは以下の視点より書かれています。

  • 待機児童問題

  • 研究職や営業職など長い期間休むことによるデメリット

  • 子供の発達を考える

  • 母親の就業に与える影響

  • 子育てをしながら働く際の子供の年齢による負担感

とても印象的で、少し寂しく感じてしまう内容ですが、下記のような記載もありました。

子供にとって育つ環境はとても重要であるけれど、育児をするのは必ずしもお母さんである必要はないということです。きちんと育児のための訓練を受けた保育士さんであれば子供は健やかに育てることができるようです。

『家族の幸せ』の経済学|データでわかった結婚、出産、子育ての真実

では、信頼できる保育士とは?きちんと育児のための訓練をしている保育園とは?というのは簡単に答えられませんが、まずは、厚生労働省の掲げる「よい保育施設の選び方 十か条」を確認することをおすすめします。

私自身は「自分で決める」ことが最重要だと考えていました。

長く休みたければそうしたらいいし、早く復職したければそれもよし、その人の価値観によるものと思っていましたが、この本に書かれているようにデータ分析に基づいた回答をすることの方が、結果として家族の幸せにより近づけるのかなと感じました。

さいごに

この記事では「育休の経済学」について触れましたが、他にも結婚、赤ちゃん、イクメン、保育園、離婚の経済学についても書かれています。

いずれも、自分の価値観やこれまでの経験と異なると「だけどね..」と反論してしまいたくなりますが、科学的根拠を持ったデータ分析による経済学を知った上で、自分で意思決定することは悪くないと考えています。

後で自身の行動を振り返ったときに、「データよりも早く復職したから負担感が多かった。」「正社員を辞めたので再就職に苦戦中。」など基準となる知識を習得しておくことは、気持ちの余裕と自身の笑顔、そこから幸せな家族へより近づけるのではないかと感じます。

今後もライフイベントに悩んだときに読み返したい一冊です。

▽紹介した本はこちら

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