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苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日に新たなり

 有名な中国の古典「四書五経」の中の「大学」が出典の言葉。先日「孫子の兵法」と一緒に買って来た以下の本に登場する最初の金言です。

中国古典 一日一言 守屋 洋 PHP文庫


苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日に新たなり

 毎日新たな気持ちで新たな学びを続けていくことで、自分も成長し周りにもいい影響を及ぼすことが大切だ、と言っているわけです。いわゆる「自己啓発」の教えと言っていいでしょう。(日本経営士会 中部支部通信より)

 たしかに良い言葉ですが、少し優しすぎる教訓のような気がします。穏やかすぎて心に刺さって来ません。それで思い出したのが、柳生新陰流の祖・柳生宗厳(やぎゅう むねよし、別名・石舟斎)の名言です。以前気に入った彼の言葉の方が、似たような意味合いでも、分かりやすくしっかり心に突き刺さります。

他流に勝つべきに非(あら)ず、昨日の我に今日は勝つべし 柳生宗厳(柳生十兵衞の祖父)

 他流とは他人に言い換えて良いかと思われます。他人に勝つことよりも、昨日までの自分自身に勝つことの方が大事だと言っています。さすがは歴史に名を遺す剣豪の言葉です。今のところ宮本武蔵の「五輪書」よりも他の誰の言葉よりも柳生宗厳の名言が兵法の真理に近しいと感じます。
「孫子」の「戦わずして勝つ」「彼を知り己を知れば百戦殆からず」に通じる信念のような気がします。
 私はタイトルの金言より、こちらの言葉を教訓にしたいと思います。

■タイトル画像の説明
山深い柳生の里(やぎゅうのさと)でも岩戸山山麓は、古来から神域と伝わる場所。深山幽谷の趣の地に、前立磐(まえたていわ)、後立磐(うしろたていわ)など天の岩戸伝説の残る巨石群があり、その一角に柳生一刀石が佇んでいます。中央から真っ二つに割れた巨石は、柳生宗厳が天狗と試合中に一刀両断に断ち切ったという伝説の岩。
(ニッポン旅マガジンより)


おまけ

『雨あがる』は、山本周五郎の短編小説を原作とした2000年の邦画。
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<(ↀωↀ)> May the Force be with you.