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「8番出口」は〇〇〇〇に似ている

話題になっているゲーム、「8番出口」をやってみました。

いやぁ、これ面白かったです、ほんと。

きゃーきゃー言いながら楽しみました。

以下、ゲームの肝となる「異変」の内容や、クリアに関することなどについては完全ネタバレなしで書きます。

未クリア、未プレーの方もぜひ。



1,「8番出口」の基本ルール

ゲームのスタート地点は、ここです。

この段階では0番出口

「0番出口」と書いてある表示の横に、「ご案内」として、ルールが書いてあります。

書いてある基本ルールは、以下の通り。

異変を見逃さないこと
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと
8番出口から外に出ること

8番出口

ここに書いてある中でもっとも重要なのは、真ん中の2点。

異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと

8番出口

これです。

このスタート地点にたどり着くまでに、プレーヤーは、ある通路を通ります。

ベースとなる、異変のない通路

プレーヤーはまずここで、ベースとなる、異変のない通路の状態を見ます。

で、スタート地点の先にも、これと同様の通路があるんです。

そこで、ベースとなる通路と違う〝間違い〟――つまり、「異変」が見つかった場合には、引き返す。

見つからなかった時には、引き返さずに進む。


もし、その判断が正しければ、引き返した先、もしくは進んだ先に、スタート地点と同じような場所があり、「〇番出口」の番号が上がっていきます。

5まで来てます

ただし、「異変」があるのに引き返さなかったり、「異変」がないのに引き返したりと、判断が間違っていると、この数字が0に戻ります。

最終的に、無事「8番出口」にたどり着ければ、ゴール。

こういうゲームです。


2,「8番出口」はただの間違い探しじゃない


「8番出口」は、確かにジャンルとしては、〝間違い探し〟ということになるんだと思います。

でも、ただの間違い探しじゃない。



いわゆる〝間違い〟にあたる、「異変」。

「8番出口」の場合、これが、ある場合とない場合とあるわけです。

これが、絶妙な緊張感を生み出してめちゃめちゃ面白かった。


〝ここには間違いがありますよ〟と言われて間違いを探すのと、〝ここには間違いがあるかもしれないし、ないかもしれません〟と言われて、あるかないか分からない間違いを探すのとは、まったく違うゲーム体験なんだな、と思いました。

異変が見つかった時は、アハ体験にもなるし、確信をもって「引き返す」わけですから、安心なわけです。

「異変だー! わーい!! 引き返せー!」

って。

このゲームでいちばん緊張するのは、異変が見つからなかった時です。

「え? 異変……ない…よね? 何か見逃してるのかな…でも何もなかったしな…」

で、おそるおそる進んでみる。

そしたら、判断が間違っていて、スタート地点に戻ったりするわけです。

「え!? 異変、ないと思ってたのに! 見逃してた…!?」

もう、恐怖ですよ。

自分の目が信じられなくなる。


3,「8番出口」は○○○○に似ている


で、ちょっとまてよ、ってなるわけです。

いや、この感じ、めっちゃ既視感あるな……って。

そうだ、アレだ、ってなったわけです。

これまさに、文字校正だ、と。


あるかどうか分からない、でもあるかもしれない「誤植」を探す。

怪しい場所を、アンテナ立てて目を皿にして、緊張感をもって確認する。

「ないよな……ないよな……」と、進む。

よし、大丈夫、OK!ってなって、校了する。

印刷される。

…そして、誤植を出す。

自分の目が信じられなくなる。
(ここまで1セット)


「異変」を発見していく、経験が増えていく、その過程も面白かったです。

「異変」を1つでも見つけると、「あ、もしかしたらこういうところも怪しいかもしれない」って、仮説をもてるようになります。

さっきはああいう「異変」があったから、きっとこういう「異変」もあるのでは……? と。

YouTubeの配信とか見てても、「○○が――したりとかするんじゃ…?」みたいな、「異変」の仮説をお話しされてたりします。

で、その仮説は、見つけた「異変」の数が増えれば増えるほど、精度が上がっていく。

校正も同じだと思います。経験がものをいうところがある。

こういう誤植、前にもあったな……という経験で、熟練した校正者は、初心者には立たないアンテナが立っている。

例えば組織としては、校正表(校正の際に参照するチェックリストのようなもの)なんかもそうだと思います。

そうやってこれまで組織として、仕事の中で見つかってきた「異変」ならぬ、誤植の経験から、もれなくそれらを掬い上げられるような校正表が、練り上げられていくわけです。

確認のための観点が、「異変」ならぬ誤植の経験から、練り上げていく。


「8番出口」も、すべての「異変」を見つけるまでが、すごく面白かった。

どんな「異変」があるか、分からないんですもん。

「異変」の仮説をたて、ここは大丈夫かな、あそこは大丈夫かな、と確認していく。


すべての「異変」を見つけた後にも少しやってみたんですが、あんまり楽しくなかったです。

だって、起こりうることはすべて知っているから。

チェックリスト以外のことは起こり得ない場で、チェックリスト通りに、「〇〇ヨシ!」と、確認していく作業みたいなもんで。

「異変」が起こりうる場所さえチェックしておけば絶対大丈夫なんですから。

そうなると、またこれ、全然違うゲーム体験になるんですよね。

そこには、何が起こるか分からないワクワク感はなかった。


だから、これだけは、はっきり言えます。

「8番出口」は、絶対、「異変」のネタバレを踏まない方がいいです。

ゲーム配信とかでいくつかの「異変」を知っている状態とかなら、仮説を持ちながらやれるというところもありますし、楽しいと思います。

でも、全「異変」解説、とかのサイト読んでからだと、一番楽しいゲーム体験のとこ、すっ飛ばしちゃいます。


「異変」って、「誤植」と同じで、見つかると楽しいです。

というか、笑える。

あるべき姿と違うから。

ゾクっとしたり、クスっとしたり、とにかく面白い。気持ちいい。

そもそも、「8番出口」では、設定されている「異変」そのものに、プレーヤーを楽しませるセンスを感じます。


というわけで、ゲーム、「8番出口」。

おすすめです!!!

楽しいゲーム制作に感謝!!

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