6:扁桃炎の話(1)

扁桃炎はコロナ禍初期の話。

元々喉弱民で「ワタシの風邪は喉から」腫れて声が枯れ、最後に咳が残る…というタイプだったのですが、10年くらい前?に漢方薬の麦門冬湯と出会ってから、非常に相性が良く、咳に悩まされることはほぼなくなった。

ただ喉弱民の体質は変わらず、この時も3月で花粉症もあり、風邪をひいたら発熱してものすごく喉が痛くなってしまった。
土曜日まで市販のトラネキサム酸の薬をのんでも治らず、日曜日に唾を飲んでも痛いくらいになってしまったので、寒空の中タクシーに乗って休日診療所に行ったら、お医者はのん気に
「あーかなり腫れてて赤いですねー、ここでは今日の分しか薬は出せないので、もし明日も痛かったら耳鼻科に行った方がいいと思いますよー」
トランサミンと抗生剤、鎮痛剤を握りしめて帰るも、飲んでも痛いし熱も下がらない。

当時通っていた耳鼻科は、開業医の院長が「クリニックでも大学病院のような環境で受診を」と、大学病院から複数人のお医者を招いており、花粉症で年に2回くらいしか行かない所だったけど、結果この日はそのシステムが大当たりだった。

「あぁ、扁桃腺がすごく腫れてしまってるから、これは辛かったでしょう?」
優しいぃぃぃ…この一言でもう半泣き。
「休日診療の先生は内科の先生だったのかな(苦笑)口開けるのももう辛いよね?今日来てくれて良かった、もう大丈夫ですよ」
優しいぃぃぃ(泣)

で、抗生剤を点滴で入れた方がよい、少なくとも3日間、来られる?という話になり、治るなら何でもする…!と思ったんだけど、
「あとね、腫れている所に針を刺して少しでも膿を出すと楽になるんだけど、できる?」

何それ怖い

痛いのも辛いけど、嘔吐恐怖症の自分は嘔吐反射もキツくて、耳鼻科で舌を押さえられるのもダメで「舌圧NG」とかメモされてるくらいなので、舌を押さえられて喉を大きく開けて穿刺されるなんてもう拷問でしかない。

…ということをめそめそと説明したところ、
少しでも出しておかないと口を開けるのも辛くなる、やるなら今やって行こう、なるべく気をつけて処置する、短時間でできるところまででいいよ、と優しく説得してくれた。

怯え、泣きながら、何とか2回刺してもらった。
「この2回分だけでもかなり回復は早まるから。よくがんばったね!」

つづく。