3:急性胃腸炎の話(2)

病院の消灯時間は早いのですぐには寝つけなかったものの、衰弱していたのでさすがに寝た。でもすぐ目が覚めた。

向かいのベッドのご高齢のおばあさん。
昼間は寝たきりで、看護師さんや介護士さん達に話しかけられていてもほぼお返事は聞き取れない状態だった。それなのに。
夜中に急にひとりで話し始め、しかも「あいつは…!」等とそこそこ大きな声で看護師さんや介護士さんのグチで罵詈雑言。そして動けないのに動こうとしているらしく、ベッドがギシギシ言うくらい暴れていらっしゃる。
怖ぇぇぇぇぇぇ!(泣)

看護師さん数人が飛んで来て一生懸命「だめですよー!」と止めても言うことを聞かず、聞こえた会話から、どうやら手術をされて輸血もしていたらしいのだけれどそれを外してしまって血が飛び散っていた、らしい。暴れてしまうので拘束されていた、らしい。
看護師さんが自分の所をそっと覗きに来てくれたけど、寝たふりして縮まっていたらそのまま去って行かれた。
おばあちゃーーーん、どうしちゃったんだよぉぉぉ(泣)

翌朝。2日目。
「仕事の引継書を作ってFAXしなければいけないので外出させてもらう」というブラック社畜っぷりを発揮していた自分は、起きて(自宅に)外出→会社に連絡→家で髪を洗ってから病院に帰って点滴を受けていた。入院とは。
上司には電話で何日かかりそうなの!?長引きそうなの!?とヒステリックに聞かれた(呆)

ちょっと記憶が曖昧なのだが、入院は3泊4日だったはずなので、この日の夕方。
遠い実家の両親が飛んで押しかけて来た。入院することは電話で連絡したが、病院には来なくていいと伝えてあったので、ものすごいストレスだった。いわゆる毒親だった実父は当時まだアル中みたいなものだったし、再婚した義理の母のこともいろいろあって信頼していなかったのでむしろ会いたくなかった。ぐったりしてまともに話さなかった。親もせっかく来てやったのに…みたいな顔してすぐ帰った。
で、両親が帰った後に病院の人が来て、「急に入院になったので手続きをお願いしていませんでした、つきましては保証人のサインを」
あのさぁ…
親は今日来たけどもう帰りました(怒)と言ったら、結局出さなくて良くなった。
親、何しに来たん?病院、何してんの?
もちほんひたすらぐったりして案内されるままに身を任せていた自分も悪いです、でもそれだけぐったりしてたんだから、必要なことは案内してほしかった…

で、おばあさんはまた夜中に暴れた。ストレスで眠れなくて布団かぶって泣いた。つづく。