かおりさんへ

こんにちは。
『キューバの話』で今年はちょっと遠くに行くつもりだと書いたんだけど、実はシチリア島に行こうと思ってるんだよね。前回イタリアに行ったのはなんと！四半世紀前。まあ、言ってみればメモリアルイヤーなのでもう今年いくしかない！と思いまして。

ガイドブックももちろん買ったんだけど、何かイタリアに関係する本が読みたいなと思ってこんな本を読んでみました。宮嶋勲『最後はなぜかうまくいくイタリア人』

いやあ、これがおもしろかった。イタリア人、好きだなあ。まあ、一緒に仕事したり生活するには慣れるまでずいぶん時間がかかりそうだけど。

仕事編は「ルーズなのになぜか結果は出る秘密」。宮嶋さんによるとイタリアでは仕事とプライベートはあいまいらしい。いつでも仕事し、いつでもサボる。仕事の時間におしゃべりに熱中してしまうこともあるけど、「私」の時間に仕事が割り込んでくることにも寛容で夕飯を食べながら、仕事の話で盛り上がって素晴らしい仕事のアイディアが出てきたりする。

時間にはルーズだけど、目的がはっきりしたらゴールを目指して爆進してなんとか間に合わせてしまったり、自分にも徹底的に甘いが他人にも寛容だったり、どんなに小さなコネでもうまくいけばラッキーという感じで使ってみたり。読んでいくと無理はせず自然体でいるからこそ、いざって時に恐ろしいパワーが出る秘密がなんとなく理解できる気がします。

なんだか笑っちゃう話ばかりなんだけど、私が会社に入社した30年くらい前は少しイタリア人マインドがあったかもしれないなと思った。昔はうちの会社も社員旅行とか運動会とかあったんだよ。

会社の規模が小さかったこともあるけど、横のつながりも縦のつながりも強くて、先輩も後輩も大体知ってた。仕事とプライベートの境も少し緩やかだった気がするし、遊びの続きに仕事があるようなところもあった。まあ、それも良し悪しだけど。

他人にも自分にもおおらかで、「今」を楽しんで、好き嫌いや美しいか醜いかで判断してしまうようなイタリア人気質、いいなあ。つい、カリカリしてしまうことも多いんだけど、イタリア人マインドをまねして、もう少しゆったりと好きなことを優先して暮らしていきたいものだなあと思ったのでした。では、また。

2024年4月19日
やすこより