見出し画像

神保町で古本と美味しいものを堪能したい!と思った話〜原田ひ香『古本食堂』〜

かおりさんへ

こんにちは。
かおりさんは神保町の古本屋巡りをしたことはある?私は、ないんだよね……。この本を読んで、絶対に神保町で古本屋巡りをして、美味しいものを堪能したい!と思ったわ。今日は原田ひ香『古本食堂』について書きたいと思います。

北海道の帯広で静かに暮らしていた珊瑚さんが、神田神保町の古本屋さんになる話。古本屋を営んでいた兄の滋郎さんが急逝し、お店とビルを相続することになるんだけど、珊瑚さん家族の人間関係を紐解きつつ、古本と神保町の美味しいものが満載の本なんだよね。

珊瑚さんは「私は本のことなんかわからないから」と言いながらも、お店にやってくる人たちにぴったりの本をさらっとすすめ、親戚の美喜希ちゃんがお土産に持ってくる神保町の美味しいものをお客さんと一緒に食べる。

単価の高くない本を売り、美味しいものを一緒に食べてしまうんだから、商売としては完全に儲かってないと思うけど、こんな古本屋さんがあったら通っちゃうだろうと思う。神保町は美味しいお菓子もたくさんあるから、お土産に持っていって、珊瑚さんにお茶を入れてもらいたいなんて妄想が広がる。

それはそうと、この本ですすめられている本も興味深いの。小林カツ代さんの『お弁当づくり はっと驚く秘訣集』は読んだことないけど、カツ代さんの本は好きなんだ。息子のケンタロウ氏のレシピ本もほとんど持っていて、わが家の食事のレパートリーは小林家のものが多い。写真がいっぱいのレシピ本を見て、途方に暮れる若いお母さんにカツ代さんの本をすすめるなんてセンスいいな、珊瑚さんと思った。

人に本をすすめるのって難しいよね。それでも、珊瑚さんみたいに重たくならないようにそっと寄り添うような感じで「こんな本はどうかしら?」って言われたら、言われたことだけで癒されるなあと思う。そしてすすめられた本をそっと開くとき、とても幸せな気分になるだろうな。

あとね、この本に出てくる美味しいものがたまらないの。「ボンディ」のカレーとかロシア料理店の「ピロシキ」は食べたことがあるから「ああ!食べたい!」と思うし、「けぬき寿司」は興味しかないから、お土産に買って帰りたい。考えただけでお腹が空いてくるよ。本と美味しいものなんて最高の取り合わせ!

この本はぜひかおりさんに貸して、神保町に行きたい気分を盛り上げてもらって、今度はぜひ「しゃべりたいふたり」で一緒に行きたいな!と勝手に思っております。

2024年3月22日
やすこより


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?