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マルグレーテ,

冷たい波が命を灯し
口に含んだ砂が
心地良さを
教えてくれた
生きてしまった
流してしまった

遠くなった母国では今も
偽りの愛を囁きながら
彼等は等しく
武器を取り合い
国のもの
民のものを
奪い合っているのだろうか

私があのかんむりを手にしたのは
血だけではないと
伝えようにも
伝えれなかった

そうね もう
全てを忘れましょう
ここは私が諦めた“普通”を
あなた達と楽しむ場所だから

優しく泣いて 島の鳥
くらむような色をもう一度
教えて
島の精霊
木々たちよ

願えども
こんな小さな島さえも
燃やし尽くさんと
小さな耳便り送る
アイノシシャ

私を選んだ
月は
ずっと
ずっと
哀しそうに
見ていたの
輝いてたの

それすらも
気付かない者に
森の奥 
にぶい銀(Sølv)の音は
告げるから

もう一度

全てを諦め
あの名を名乗る

奪い奪われ虚無に近しい自分を

もう

誰も望んではいなかったのだけど

そう

私こそが

ヒトの世界に必要では

ないのだろうけど

それでも

星が

壊れぬよう

正しく

廻るため

私も

廻らなくては

いけなくて

此度こたびの生に無意味でも

何か残る

言動を

繰り返し繰り返そう

望まれぬ舞を


最期の舞台で


あなた達と踊るため

それが

誰にも理解されなくとも、もういいの

何百何千と私はきっと


生まれかわるはずだから








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