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#よんなな朝の歌 ’23.9③


2023.9.11 Mr.Children 「優しい歌」

おはよんなな。あの夜の僕はあいつと不味い酒飲んで、2時間ちょっと歩いて家に帰った。帰り気を紛らわせに聴いたAMラジオで聴いたニュースにも絵空事で。オリコン1位だったこの曲も痴話喧嘩もどうでも良くなる位、衝撃だったよ。
午前6:47 · 2023年9月11日

 2001年9月11日。その日の深夜のことは異様に覚えている。最終電車を逃して総武線の平井から常磐線の亀有、そしてもう2㎞を歩いて帰ったんだっけ。どうしてもダークサイドから救いたい相手と、長い時間をかけて話をしていた。でも思いは通じなくて。
 夜歩きをやり過ごすために聴いていたラジオから流れる緊迫した放送、それはどうだって良かったけれど…家に帰ってテレビを点けて、全ては小さなことと打ちのめされた。そんな頃のミスチルの歌。「優しい歌」だなんて皮肉だよなと、ふとぼやいたことまで忘れていない。

2023.9.12 MISIA & Rockon Social Club「傷だらけの王者」

おはよんなな。ラグビーW杯が開幕、相変わらずライトなウォッチャーではあるけれども良い戦いを願うところ。んで、NHKのテーマソング、カッコイイなと思ったらMisiaが珍しくロックを唄ってた。これいいのよ。
午前6:47 · 2023年9月12日

 MISIAがロックを歌うのが「珍しいなあ」と思ったら、NHKラグビーワールドカップ中継の主題歌として書かれたものだそうで。特別なユニットとして歌唱する姿は自分の記憶の中では珍しく、シャウトするように歌うMISIAに新鮮さを感じたのは言うまでもない。
 ラグビーを意識した楽曲がゆえに、歌としては実に泥臭い。傷だらけになっても戦うことを讃える「漢の歌」ではあるが、MISIAが歌うことによって応援歌として楽曲が成立したように感じる。これを男性ボーカルで歌ったら、暑苦しい。

2023.9.13 キンモクセイ「二人のアカボシ」

おはよんなな。もう夜明けの時間が日に日に遅くなり、しっかり目を覚まさないと夜通し起きて朝日を見るような時間ではないよな、と。夜明けの街を望むにも体力が要るなあ、なんて。だからこそこの歌に若さを感じるのよね。
午前6:47 · 2023年9月13日

 徹夜明けの世界を見るのは、流石にもう難しい年ごろになった自覚はある。年に1度あるかどうかの「オール」も、最近はままならないことの方が多い。オールをするために、前の段階でかなり睡眠を取らないと大変なことになる。アラフォーの「リアル」はそこにある。
 ただ朝焼けの空を見るのは楽しいものがある。謎の達成感を持って店を出る時の気落ちは、ただ「バカだな」と自虐することに尽きて。それでもいい、その時間を共有できたことを喜んで、その夜の思い出を美しいものとすればよい。あくまでも明るく、そうやって時が過ぎれば幸せ。

2023.9.14 サカナクション「モス」

おはよんなな。絹を作るための繭って、最後には蛾になるんですよね。蝶でなく、蛾。美しいものを作り上げるものが、思いがけず蛾。いいんですよ、私だっていつかは綺麗な言葉で詞なんか書いていたのだから。poemじゃなくてlyrics。
午前6:47 · 2023年9月14日

 面白いもので、人間が珍重する繊維質の中にある絹。蛾の幼虫が育つプロセスの中で、糸を織り上げて自らの巣を形作る。育った先は蛾、蝶ではない。大人になった蛾には生きる権利がないかのように「なきものとしたい」気持ちになるような虫。ある意味、親戚の蝶は「蝶よ花よ、時折害虫」と、評価を分けながらも生きていることを考えたら、大人になった時の評価って残酷なものねと。
 それを踏まえ成長を甘んじて受け入れることも含めてこの歌を聴くと、醜くかろうが成長せざるを得ない者にとって、とてつもなく残酷な歌にも聞こえる。

2023.9.15 オリジナル・ラブ「月の裏で会いましょう」

おはよんなな。今宵は新月ですね。月の裏に兎さんが隠れる日…そんな夜に、素敵な人とお月さんにも気づかれないように会えるなんて思ったらロマンチックだけど、やっぱり懐中電灯くらいあった方がいいかなあ…?
午前6:47 · 2023年9月15日

 新月の日に「月の裏で会おうか?」というよりは、満月の日に密かに顔を合わせよう…という方が正しい解釈だったかな?
 騒がしさを避けて会いましょう…というのは、おそらくは密会を意味することかなとは思う。確かに騒々しいところで会うよりも、ムーディーな場所で逢瀬をする方が気分は良いだろう。太陽の光をひしひしと感じる光る月では明るすぎて仕方がない。ならば誰にも邪魔されない場所で会いたいよね…と誘うように。
 現実の月の裏はともかくとして、その口説き文句は強いものだよな。ロマンチックこの上ない、夢を見させる言葉ね。

2023.9.16 TM NETWORK「Get Wild」

おはよんなな。軽率に股間もっこりさせるC調な冴羽ちゃんのイメージが先行しがちだけど、本当はシリアスなCity Hunter。カッコイイ男としての冴羽は誰しも一度は憧れたはず。この楽曲もカッコいいんだから…憧れるのも当然だよね?
午前6:47 · 2023年9月16日

 どうして昔のアニメソングはかくもカッコイイのか?という疑問に対する答えのひとつが、「City Hunter」にあると考えている。この作品は結論から言えばアニメではなく「劇画」であって、むしろ大人のためのドラマでもあると考えられる。
 決して「大人が見る」のが主眼でなくて、作品の中に大人を感じることができるか、ではある。見るべきところは冴羽とかおりの恋の行方だけではなく「大人とは何か」や「生き方」を表現するのは何か。その哲学がテーマ曲にも反映されているものだと強く信じたい。

2023.9.17 デーモン閣下「CITY HUNTER~愛よ消えないで~」

おはよんなな。昨日からの流れで小比類巻かほる行ってみるか…なんて素直じゃないよね。でも、このカヴァーは本当に秀逸で。閣下の手にかかれば、すべてが上質なハードロックに昇華するのね。本当にいいわ。
午前6:47 · 2023年9月17日

 前日に続いて「City Hunter」の楽曲から。小比類巻かほるによるオリジナル歌唱も好きなのだが、デーモン閣下版がとみに秀逸で。
 デーモン閣下はそもそも悪魔教の布教が一段落ついたと見えて、一時期は日本の女性シンガーの楽曲の悪魔改造に着手していた。その頃の成果がこの曲でもあるのだが、実に聞きほれるほどのハードロック調に改造されていた。一概にカヴァー曲は劣化コピーになりがちな部分があるが、閣下の手にかかると全てにおいて「新しい解釈」を提示してくるところに凄みを感じている。本当、悪魔凄いよ。

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