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#よんなな朝の歌 ’22.12⑧

2022.12.22 JAYWALK「言えなかった言葉を君に」

忘れてきた宿題を思い出すかのような、いつかの君に伝えたかった言葉。ただし人生は一期一会だ、だからこそ目の前のことに必死になるんだ。できれば言葉で愛を伝えよう。案外そういう忘れ物は忘れたままになっちゃうよ。みんなおはよう。
JAYWALK「言えなかった言葉を君に」
午前6:08 · 2022年12月22日

 JAYWALKの楽曲は、男の未練が詰まった曲が多い。
 大ヒットした「何も言えなくて…夏」も「言えなかった言葉を君に」も、恐らくは結婚まで考えた相手との別離を歌った作品である。考え方によっては、夏の別れからその後を歌った連作ではないかとも思えるような物語の繋がりを感じる。人生の折り返しを想う時に感じる感傷や憧憬にも似た感情と、煮え切らない心と自分への怒りに似た感情と。ただしそれは恋愛に関しての経験と思い出をアップデートできない男の心情をしっかり描いたと考えれば、あながち間違いでもないようだ。
 だからこそこういう思い出話は面白いもので、今度は男の口から進んで出るものでもない。恋の思い出話にできるのは、女声はアップデート前後でエピソードを使い分け、男はそうやって立ち回る器用さを持ち合わせていない。同窓会に顔を出しても恋の話は女性の独壇場で、男はそれを「へえ、ふうん、ほう…」と興味があるのかわからないくらいの相槌で聞き流す。時に耳年増をよんななが発揮させようとすると、「陰キャのお前は黙っとけ」と。はぁ、高校生の頃?教室の隅にいましたよーだ!ふんっ。
 JAYWALK。1980年結成、1981年デビュー。1991年「何も言えなくて…夏」がヒット、同曲で1993年NHK紅白歌合戦に出場。2010年、ボーカル・中村耕一の覚せい剤取締法違反による逮捕以降、メンバー加入・脱退が続き、現在はオリジナルメンバーのうち4名で編成されている。

2022.12.23 久宝留理子「早くしてよ」

少し遅めのおはようございます。待ち合わせをするにしても携帯のなかった時代、「どこそこの駅の何番出口の階段の上」みたいな待ち合わせはよくしてたかと思います。待つ方も急ぐ方もじれったい時間、その時間が男女の機敏を養う時間だったのよね。
久宝留理子「早くしてよ」
午前7:50 · 2022年12月23日

 今もお美しい久宝瑠理子さんなんですけれども、若い頃の久宝ちゃん(敢えてこう言うね、90年代感出すために)は本当に可愛かった。PVのサムネイル見ても、こんな子が身近にいたら…という雰囲気がビッシビシに感じて。
 ちょうど中学生の頃、GiRLPOPという概念で括られるアーティストが多く活躍していた。その中でもよんなな少年は近藤名奈推しだったのだが、一方で久宝留理子のかわいらしさとボーイッシュな二面性にも惹かれていた。この頃の推し模様がその後の恋愛観や対象に影響されていて、今に至る「年上の女性もしくは大人な考え方の女性」という理想像が形成されている訳で。
 久宝留理子の中で代表曲を挙げよと問われると、「早くしてよ」と「男」の2曲を迷わず挙げることになる。この2曲は鉄板曲ではあるが、かわいらしさと男勝りの両面を見るにはこの並びが適しているように思われる(ただし「男」についての評論は次回に託す)。とりわけ「早くしてよ」は、デートの待ち合わせの時間をわざと遅らせたのに、彼の方が遅くてコラーッ!っていうシチュエーション。拗ねる描写がツンデレ風の可愛らしさ。年上の女性には流石に失礼じゃないかと思いつつ、今でも少しやってみたい情景だったりする。
 久宝留理子。1987年、CBS・ソニーのオーディションでグランプリ受賞。1990年、デビュー。1993年、「男」が宝石商社三貴のCFソングに採用され、ヒット。同年のNHK紅白歌合戦に出場。夫は、SOPHIAの港啓一。

2022.12.24 山下達郎「クリスマス・イブ」

メリー・クリスマス。裏垢ですからメリー・クリ…パァン!という展開を思った人もいたでしょうが、この曲だけは大事にさせて。イブの日に何よりのプレゼントは恋人であり仲間であり家族なんだぞ、と。鉄道員の倅は、毎年この曲で感極まるの!
山下達郎「クリスマス・イブ」
午前8:40 · 2022年12月24日

 今日は朝から名古屋は大変なことになっているようで。ホワイトクリスマスだってロマンチックに思ったらとんでもなくて、道路交通が軒並みマヒ。新幹線も遅れ。伊吹おろしを舐めてはいけません。年末は何度か、これがあります。
 そんな日にもクリスマスイブを過ごしたい人、新幹線に乗ってるかな?心を込めたプレゼント持って西へ東へ走る姿が思い浮かべながら、決まって子供の頃を思い出すのが、こういう節々のイベントの日と、よんなな家。
 よんなな家の大黒柱は、鉄道員でした。いや、正確には鉄道会社がやっているバスの会社の人でしたけど。クリスマスもそうだけど家族のイベントにも父親不在はザラ、でね。今でこそ「エッセンシャルワーカー」とか言ってくれてはいるけれど、周りはそういう親御さんもあまりいなくて。でも、この曲を使ったCMが流れてからは、少し見る方向が変わったんです。「お父さんの仕事は、特別な日に会いたいと願う人の心も運んでいるんだな」と。
 よんなな少年は青年になり、「土日が休める仕事がしたい」訳ではなかったけど、縁あってそういう会社に勤めて。改めて休日に電車に乗った時に、そっと車掌さんに小さく会釈して。今でも、電車に乗るたびにありがとうは伝えているつもり。いつもありがとうございます。と。
 そして今日どこかで働く皆さんにも、遅れてもクリスマスはいいことがありますように。
 山下達郎。前回のシュガーベイブの時にも語りましたから、今回は省略します。今でも大好きです。以上。


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