木の話13 フォレストヒーローとカキフライ

2011年は国際森林年でした。国連森林フォーラムは世界の5地域それぞれから最も森林の育成や林業の健全な発展などに貢献した人物を「フォレスト・ヒーローズ」として表彰しました。

フォレスト・ヒーローって、なんかカッコいいですよね。世界中で5人ぐらいしか選ばれない特別な人たちです。

そのフォレスト・ヒーローに選ばれた日本人がいたことをご存知ですか?実は私は知らなかったのですが、フォレスト・ヒーローに選ばれた日本人がいたんです!すごいことですよね!

どこの林業家?それとも木材業者?やっぱり奈良の吉野の人?…などなど思ったのですが、みなさんどう思われますか?

じ、つ、は、林業木材業の人ではないんです。

森林の育成や林業の健全な発展などに貢献した人物が表彰されるのに、林業でも木材業の人ではないというのはどういうことでしょう?

答えは、畠山さんという漁師さんです。

え?!漁師さん?!
…なんで漁師さんがフォレスト・ヒーロー???
ビックリですよね。
でも、話を聞いてすごく納得しました。

畠山さんは牡蠣の養殖をされている漁師さんです。牡蠣の養殖をずっと続けてらしたのですが、ある時から養殖している牡蠣が痩せて美味しくなくなってきたそうです。

なんで美味しくなくなったのか?最初はなかなか原因がわからなかったそうです。

なんでやろ?なんでやろ?…あ、いや、関西弁ではなかったかも知れませんが、それはもう悩まれたそうです。

そしてあるときふと牡蠣の養殖をしている海に流れ込む川の上流を見てみたそうです。川の上流は山です。山を観察してみると、すごく荒れ果てていることに気づいたそうです。

これは山が荒れてるから海も豊かさを失ったのではないか?!…畠山さんは直感したそうです。

そこで、森は海の恋人というNPO法人を作って森の整備をする運動を開始します。

漁師さんが森林整備ですよ?絶対最初は変な目で見られたと思います。

でも継続していくうちに結果がでてくるわけです。そう、牡蠣が美味しくなっていくんですね。

このお話を聞いて、私は感動してしまいました。畠山さんを大阪にお呼びして、講演会を企画して、製材組合のみんなに講演を聞かせたくらい感動してしまいました。

なので、この話は畠山さんから聞いた話なので、詳細を正確に知りたい方は本などお読みくださいね。

しかし、この山が海に繋がっているいるという話は、じつはいろんなところであるそうです。

北海道で昆布が良くとれるところって、川から海に水が流れているところで、その川上の山が緑豊なところなんだそうです。

豊かな熱帯雨林を流れるアマゾン川。その海に流れ込んでいる河口では、世界有数の美味しいエビがとれるのは有名です。

経験的に知られている森林と海の関係。畠山さんのすごいところは、それを研究して科学的に数字でそれを証明してはるところだと思います。

とにかく、海と山は繋がっているんですね。
森林の整備の重要性は、資源や国土保全やいろんなことが関係していますが、海の資源にも関係しているんですね。



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